ラグビー

ラストイヤーに復活かける明治大WTB山村知也、輝く3トライ

山村は対抗戦選抜のウィングとして3トライを決めた(すべて撮影・谷本結利)

第7回関東大学オールスターゲーム

6月30日@東京・秩父宮
対抗戦A選抜 38-0 リーグ戦1部選抜

6月30日、東京・秩父宮には5796人の観客が集まった。7回目を迎えた「関東大学オールスターゲーム」のメインゲーム、対抗戦A選抜とリーグ戦1部選抜の激突は、秋のシーズンさながらの真剣勝負となった。その中で春シーズンに好調を維持している韋駄天が、圧巻の走りで観客を魅了した。

春シーズンの勢いそのままに活躍

対抗戦選抜が12-0とリードして折り返した試合は、小雨が降り始めた後半、決定力に勝る対抗戦選抜がトライを重ね、終わってみれば38-0の圧勝だった。

MVPには対抗戦選抜のSO岸岡智樹(早大4年、東海大仰星)が選ばれた。3トライを挙げ、岸岡に負けないインパクトを残したのがイケメン選手としても有名なWTB山村知也(明大4年、報徳学園)だった。

山村はこの春、明治の東日本大学セブンズの優勝に大きく貢献。春季大会Bリーグで優勝し、招待試合でも帝京、東海、早稲田を撃破した勢いを、そのままオールスターゲームでも見せた。

50m6秒フラットの俊足で駆ける

FWとBKが連携する中で、大外で2トライ、さらに、ターンオーバーからの速攻でパスを受け、40mを走りきってのトライを挙げた。「3トライできたのは、シンプルにうれしかったです。結果的に僕のトライになりましたけど、味方の選手のスキルが高いので、いい形でボールを運んでくれましたし、自分が呼んだところに投げてくれたのでやりやすかった」と笑った。

1年生で対抗戦のトライ王、2年生から暗転

50mは6秒0。高校時代は花園ベスト8、高校日本代表でも活躍したスピードランナーだった。いきなり大学1年生から紫紺のジャージーを着け、対抗戦で11トライを決めてトライ王に輝いた。

U20日本代表やジュニア・ジャパンにも選出されるなど、順調にキャリアを重ねてきたが、大学2年生、3年生のときは、けががあったり、相手チームのマークが厳しかったりして、なかなかトライを重ねられず、もがき苦しんでいた。

昨年度、明治が22シーズンぶりに優勝した大学選手権では準決勝で5分、決勝では10分しかプレーできなかった。昨年12月に肺炎で入院し、腰も痛めた。同期のWTB山﨑洋之(4年、筑紫)の台頭もあった。

山村は言う。「チームが勝っていくうれしさはありましたけど、出られなかった悔しさはずっと心の中にありました。去年の思いを忘れずに、体調管理をしっかりして、いいパフォーマンスを出し続けることを心がけてます」

一瞬ごとに、どうすればチームに貢献できるかと考えている

ラストイヤーに入り、一つずつ変えた意識

オフの間、シーズン中以上に真剣に自分のプレーに向き合った。そして2月になり、練習から「ボールを持ってないときに、どうボールを呼び込むか」「スペースをしっかり把握する」と、一つひとつ意識を変えていった。そういった努力がプレーに出たというわけだ。

山村は関西学院大学でプレーした兄の尚也の影響で、5歳から大阪の吹田ラグビースクールで競技を始めた。兄は中学から兵庫の伊丹ラグビースクール、そして報徳学園高校と進んだが、山村も後を追った。花園には自分が主将だった高3のときこそ出場できなかったが、高1、高2と全国のベスト8に進出した。

明治には現在、ラグビー日本代表に選ばれている2学年上のCTB梶村祐介(サントリー)やNo.8前田剛、FL井上遼(ともに神戸製鋼)といった報徳学園出身者が多かったこともあり、進学を決めた。「(梶村さんとは)いまでもごはんを一緒に食べに行ってます。刺激をもらってます」と山村。

最上級生となり、山村はリーダーグループの一員となるだけでなく、BKを引っ張る副キャプテンにも任命された。寮生活では掃除や洗濯物の整理といったことにも気を遣う。練習中は周りに目を向けたり、アドバイスしたりしている。

「ウィングは端でボールをもらうので、内側の選手といいコミュニケーションをとってないといけないんです。内側の選手が成長すれば、自分のボールももらい方もよくなります」

喜ぶ仲間に迎えられる瞬間が、トライゲッターにとって至福のとき

「その瞬間、どうしたらチームに貢献できるか」

好きな言葉は父から教えてもらった「有言実行」である。大学3年生までに、卒業に必要な単位はほぼ取得している。時間があれば13人制ラグビーのスター、ショーン・ジョンソンの映像を見てステップの勉強をする。練習がないときは買い物をしたり、カフェに行ったり、ぶらぶらしてリラックスする。

大学卒業後はトップリーグに進み、将来的には梶村先輩同様に、日本代表としてプレーすることを夢見る。

しかし、いまは大学選手権連覇を狙う明治の副キャプテンとして「大学日本一となるために、トライを取り切ることだけでなく、ボールを持って前に運んだり、タックルだったりと、1秒1秒、どうしたらチームに貢献できるか考えながらプレーしてます」。目の前の一瞬を大切に、最大のパフォーマンスを出し続けることが一つのゲイン、トライ、チームの勝利につながっていく。今シーズンこそ最初から最後までグラウンドに立ってトライを重ね、明治の連覇に貢献したいところだ。 

in Additionあわせて読みたい