同志社男子アーチェリーの新主将・光永嶺、王座優勝を目指して前進し続ける
同志社大学男子アーチェリー部は今春の関西リーグ戦で準優勝し、全日本学生王座決定戦(以下「王座」)ではベスト8どまりだった。「王座優勝」という目標を胸に準備してきた彼らにとっては、悔しい結果となった。
技術面でも精神面でも引っ張る
関西圏ではチームとして頭一つ抜けたスキルを持つ同志社だが、近大にはさらに圧倒的に上をいかれている。課題は近大との差を少しでも縮めること。その差を埋めるためのキーマンと言える存在がいる。3回生にしてリーグ戦フル出場を果たし、王座のメンバーにも選ばれた新主将の光永嶺(3年、広島・佐伯)だ。
春季リーグは30mと50mの2種類で争われるが、どちらでも安定して高得点を叩き出した。30mラウンドでは満点の60点を複数回叩き出し、チームの士気も上がった。
リーグ戦を通して目立ったのが、光永の自己分析力の高さである。第3戦で、光永が自己ベストにあと1点と迫るスコアを出したとき、1点が遠かった原因について「消極的になった。守りに入ってしまいました」と語った。試合中も自分について客観的にとらえてフィードバックし、それを成長の糧とする強さが感じられた。またチームで点数報告をする場では、3回生ながらチームの流れをポジティブに転じる発言もあり、技術面でも精神面でもチームを引っ張る存在になれることを確信させた。
王座優勝へ、理想のチーム像を求めて
6月の王座でも、光永らしい安定感が随所に現れた。特別な緊張感が漂う舞台にあって、堂々とした行射で、いままでの経験で培った勝負強さを見せつけた。
結果としてベスト8にとどまり、前主将の森田率いるチームが目指してきた目標には届かなかった。しかし、森田の信念は光永へしっかりと引き継がれた。「王座に優勝するに値するチームを1年かけてつくっていきたい」と、まっすぐな瞳で光永は語った。そしてその根底には、彼が理想とするチーム像があった。「みんながこの部活に入って、4年間頑張ってきてよかったと思えるチームにしたい」。みんなが自分の努力を誇りに思って卒業できるまで、光永率いる男子アーチェリー部はまっすぐに走り続ける。