陸上・駅伝

特集:第30回ユニバーシアード

東海大・デーデーブルーノ、ただただ東洋大・宮本大輔に勝ちたい

デーデーはオールスターナイト陸上で100mのほか、400mリレーにも出場した(撮影・佐伯航平)

7月にイタリア・ナポリであったユニバーシアードの陸上男子400mリレーで、日本は38.92秒で3連覇を飾った。アンカーだったデーデーブルーノ(東海大2年、創造学園)は「リレーで一番に駆け抜けたられたことはうれしかったんですけど、100mでは大輔(宮本、東洋大2年、洛南)と一緒に決勝に残りたかったので、悔しい思いがあります。自分の弱さをちゃんと教えてくれる大会でした」と語った。

東海大・デーデーブルーノが個人選手権初優勝、大学最後の日本選手権では決勝で勝負

雰囲気に飲まれた100m

デーデーはシーズン初戦だった4月の織田記念100mで10秒29(追い風1.2m)と自己タイ記録を出したが、5月の関東インカレの前は、けがで思うような練習が積めなかった。4.3mという強風に押されて10秒11だったが、宮本に次ぐ2位だった。その後もけがの影響で前に重心をかけられず、後半の加速にうまくつなげられない感覚があり、自分の走りが分からなくなってしまったという。その中で迎えた6月の日本選手権100mは準決勝敗退に終わった。

気持ちを切り替えて臨んだユニバーシアードでも自分の感覚が戻ってこないままで、100mは準決勝敗退。決勝に進んだ宮本の走りを見守った。中2日で臨んだ400mリレーでは、宮本、染谷佳大(中央大3年、つくば秀英)、山下潤(筑波大4年、県立福島)という、同じ関東の大学同士で顔なじみのメンバーがそろった。デーデー自身、「何を話したのかもよく覚えてないぐらい、いつも通りでした」と言うほどに、自然体で臨めた。2組の1着で翌日の決勝へ進み、38秒92で3連覇を果たした。

高校時代は遠い存在だった宮本

ユニバーシアードを終えてからは徐々に感覚が戻りつつあり、7月27日のオールスターナイト陸上100m決勝では10秒32(追い風1.1m)で2位、翌日のトワイライト・ゲームスでは10秒47(追い風0.2m)で優勝した。連戦を終えたデーデーは「昨日はちょっといい感覚がつかめて、今日はもっとうまく走ろうかなと思ってたのにできなくて、微妙な感じでした」と苦笑い。「タイムはよくなかったけど、感覚が戻りつつある」と手応えも口にした。

7月28日のトワイライト・ゲームスでは10秒47で優勝(撮影・藤井みさ)

9月12~15日の全日本インカレに向け、夏合宿ではトップスピードまでの二次加速、さらにトップスピードそのものの強化を意識して練習に取り組む。全日本インカレでは記録より順位を重視するという。やはり意識にあるのは同学年の宮本だ。「名前の知れた選手はみんな意識するんですけど、一番は大輔です。関東インカレはすごい悔しかった。高校のときはレベルが違いすぎると思って意識はできなかったけど、自分が成長する中でだんだん意識してきました。やっぱり彼に勝ちたいですね」

ユニバーシアードのリレーで優勝チームの仲間となった宮本に対して「心強い」と感じたそうだ。宮本は電車好きで知られる。デーデーは「(宮本が)語ると思うので、あえて電車には触れないようにしてます」と言って笑う。デーデーが全日本インカレで目指すのは、宮本に先んじての優勝だけだ。トップスピードを磨き、リベンジを狙う。

全日本インカレでは、関東インカレで敗れた宮本(左端)へのリベンジを狙う(撮影・北川直樹)

in Additionあわせて読みたい