関大バスケ、ルーキー西村晴人の鮮やかな逆転劇と支えた上級生
関西学生バスケットボールリーグ戦
9月7、8日@関西大学東体育館
関西大(2勝) 77-76 同志社大(2敗)
関西大(2勝1敗) 64-79 天理大(2勝1敗)
関西大は9月4日のリーグ初戦、大阪学院大をオーバータイムの末に破り、白星スタートを切った。そして翌週の7、8日、同志社大を1点差で破ったものの、天理大には初黒星を喫した。それでも主将の足立臣哉(4年、新田)は天理大戦を振り返り、「昨日よりもいいゲームができていた」と手応えをにじませた。
残り1分から始まったルーキー西村の躍動
同志社戦は第1クオーター(Q)序盤に岩本卓巳(2年、鳥取東)のゴール下での得点が決まると、足立の速攻、そして西村晴人(1年、県立草津東)の1対1などの得点で幸先のいいスタートを切った。しかし第2Qは同志社に主導権を握られた。相手のスクリーンに対応が遅れ、その隙を突かれて得点を許し、関大のミスからスリーポイントを決められるなど、13点ビハインドで試合を折り返した。
第3Qでは副将の秋岡和典(3年、県立岡山工)の1対1や足立のタフショットが決まり、スティールからの得点も生まれた。関大ペースで点差を一気に縮め、4点ビハインドで最終Qへ。足立のスリーポイントで一時同点とするも、同志社のシュートが決まり、リバウンドも制されるなど再びリードを奪われた。点差は残り1分の時点で8点に。ここから西村が躍動した。バスケットカウント、スリーポイント、フリースローを決め、約30秒間に7得点を積んだ。その後も勢いは止まらず、残り6.6秒から始まった関大の最後のオフェンスでフリースローを獲得。西村は2本ともきっちりと沈めて逆転すると、この1点のリードを守り切り、関大は劇的勝利をつかんだ。
ルーキー糸瀬が本領発揮
翌日の天理大戦では最初の10分は食らいついたものの、第2Qでインサイド、アウトサイドともに相手の高い得点力に苦しめられた。途中出場の福島大智(1年、洛南)がオフェンスのペースを上げ、いいかたちで得点する場面もあったが、またすぐに相手に返され徐々に点差が開き始めた。
後半には足立が負傷でコートをあとにするアクシデントがあったが、糸瀬公平(1年、東海大諏訪)が司令塔として活躍。ここ2戦、実力を発揮できていなかったルーキーが、ゲームメイクだけでなく自らの得点でチームを引っ張った。16点ビハインドで迎えた最終Qでは、最初の2分で3本のスリーポイントを決めた。糸瀬が関野日久(4年、関大北陽)の得点を演出し、自らもスリーポイントなどで得点。10点差にまで詰め寄った。しかし反撃は及ばず。64-79と今季初の黒星となった。
ルーキーたちの活躍の裏に、上級生の支えあり
今季の関大は、同志社戦の勝利の立役者となった西村や天理大戦でチームの流れを変えた糸瀬、福島など、ルーキーたちの活躍がめざましい。しかしその活躍の裏には上級生の安定したプレーや、スタッツには残らない献身的な仕事がたくさんある。
開幕から3戦ともスタメン出場を続ける岸拓也(2年、府立山城)はリバウンドやサイズの大きなプレイヤーとのマッチアップをこなし、要所でスリーポイントを沈めるなどマルチな活躍を見せている。ウイングの攻撃を担う秋岡は、関大の攻撃力のひとつ。勝負どころのスリーポイントが印象的だが、ランプレーや堅実なディフェンスも持ち味の中谷颯吾(4年、大阪桐蔭)、リバウンドやルーズボールに飛び込むなど体を張ったプレーでチームを鼓舞する関野、そして前から当たるタフなディフェンス、司令塔ながらもリングへ果敢にアタックしチームを勢いづける足立ら上級生の活躍は欠かせない。
ここまで3戦を終え、2勝1敗と勝ち越している関大はホームゲーム最終戦となるリーグ4戦目に関西学院大と相まみえる。今季の対戦ではすべて敗戦しているが、試合を重ねるごとに良化。「自分たちのスタイルを変えずに戦うことが勝ち星を増やしていくために1番大事なこと」と足立は意気込む。好敵手を相手にチーム全員で勝利をつかみ取り、全国舞台への道を突き進む。