関大ルーキー上神雄三が秋のチーム初ホームラン、京大戦で真価を発揮!
関西学生秋季リーグ 第3節
9月15、16日@兵庫・ほっともっとフィールド神戸
1回戦 関大8-2京大
関大002 001 113=8
京大000 000 002=2
2回戦 関大6-5京大
京大100 003 010=5
関大200 200 02X=6
関大の勢いが止まらない。開幕節の立命大戦で3回戦に及ぶ熱戦の末、優勝候補筆頭から大きな勝ち点を獲得した。次のカードは対京大。近年はエースの藤原風太(4年、東海大仰星)に苦しめられる試合も目立ち、決して油断はならない相手だ。
ルーキーの活躍で快勝
1回戦の先発は、立命との3戦のうち2戦で完投した左の高野脩汰(3年、出雲商)。試合開始早々にヒットを打たれ、普段より調子の悪い様子をのぞかせながらも、ストレートとスライダーのコンビネーションで三振を奪っていく。
ロースコアの競り合いに持ち込んで勝つのが関大のスタイルだが、この日は違った。下級生を中心に構成された打線が火を噴いた。とくに鮮烈な輝きを放ったのは、1回生ながら春から出場している3番の上神(うえがみ)雄三(佐久長聖)だった。「立命の2回戦はノーヒットで、3回戦もあまりよくなかったです。京大戦ではいつもより早めにタイミングを取って、足を上げてもぶれないように体幹を鍛えてきました。それがつながってよかった」。若きスラッガーは冷静さと向上心を支えに、この一戦への武器を用意していた。
1打席目は遊ゴロだったが、2打席目はライトオーバーのタイムリーツーベース。淡々とヒットを放ち、塁上では初々しい笑顔を浮かべた。上神の真価が発揮されたのは終盤だった。8回、この回先頭の上神はその名を一気に広めるソロホームラン。自慢のフルスイングで4球目を引っ張ると、打球は伸びてライトスタンドへ。この秋のチーム第1号ホームランは、ルーキーのダメ押し弾だった。この試合5打数4安打4得点の大活躍で、チームの先勝に貢献した。
持ち味はフルスイング
上神が考える自分の持ち味はフルスイングだ。しかし、ホームランより広角に打ち分けることを心がけている。追い込まれたら変化球でも対応できるような、ピッチャーが嫌がるバッターを目指しているという。「欲を出さずに、4番の野口さんにつなぐ意識です」
長野の佐久長聖高出身の上神だが、兵庫県出身。関大に進んだ理由について「関西で家から通いたいと思ってましたし、早瀬(万豊)監督の下でやりたいと思ったんです」と語る。
関大のチームカラーに関しては「チーム一丸となって、一つの勝利に向かって全員で勝ち抜くチームです。野球は9人でやるスポーツだから、バラバラになったら勝てない。スローガンの『一丸突破』の通り、一丸となるのが大切です。同期が『頑張れ』といつも言ってくれて、バッティングピッチャーもやってくれる。そういう人の気持ちに応えたい」。その言葉に、志の高さを感じさせた。「後ろの野口さん、倉川さんにチャンスでつなげるだけじゃなく、自分もチャンスをものにできるように。残りのリーグ戦も頑張っていきたいです」
終盤の逆転劇で2連勝をもぎとる
対京大2回戦では、遅咲きの森翔平(4年、鳥取商)が先発マウンドへ。1回に先制を許すと、そこから点の取り合いに。関大としては開幕カードで3回戦に突入し、疲労の色が見えるピッチャー陣に、これ以上の負担をかけるわけにはいかなかった。1点ビハインドで迎えた8回、代打の西川将也(3年、聖光学院)が逆転の2点タイムリー。9回の守りは京大打線を抑えてゲームセット。関大打線のしぶとさが出た逆転劇だった。
ピッチャーに救われてばかりだった関大打線が、逆にピッチャー陣を救えるようになった。この成長が秋の関大に勝利をもたらしている。残る3節で対するのは、相性の悪い同大、昨秋のリーグ優勝校である近大、そして最終節の関学大。この先に待つ三つの高い壁を乗り越え、関大ナインが2年ぶりに神宮の地を踏む。