陸上・駅伝

走り幅跳びの日大・橋岡優輝、世界陸上のしょっぱなにビッグジャンプを!

橋岡は世界陸上の練習、調整のために3本を跳んだ(すべて撮影・安本夏望)

第88回日本学生陸上競技対校選手権

9月13日@岐阜メモリアルセンター 長良川競技場
男子走り幅跳び決勝
1位 津波響樹(東洋大4年) 8m08(向かい風0.2m)
2位 橋岡優輝(日本大3年) 7m94(向かい風0.5m)
3位 泉谷駿介(順天堂大2年)7m92(無風)

9月27日開幕のドーハ世界陸上は、男子走り幅跳びの予選から始まる。そこで跳ぶふたりが、日本インカレで優勝を争った。2連覇を狙った日大の橋岡優輝(3年、八王子)だったが、東洋大の津波響樹(つは・ひびき、4年、那覇西)に逆転された。

記録を狙うつもりはなかった

世界陸上が2週間後に迫っていた。橋岡はドーハを見すえて、もともと2本限定で跳ぼうと思っていたという。「今日は練習というか、技術確認の一環で跳びました。跳躍全体、助走から全体にしっかりつながるようにですね」と、淡々と話した。
橋岡は8月17日の「Athlete Night Games in FUKUI」で8m32を跳び、城山正太郎(ゼンリン)が8m40を跳ぶまでの約40分間は日本記録保持者だった。「あのときは記録が出る条件もそろっていたので、しっかり狙おうという気持ちでした。でも今回は気持ちを世界陸上に切り替えていたので」と言った。

「1本目はいい助走をしたというよりは、無難な助走から無難な跳躍をしたって感じです。結果的に7m94でしたけど、記録以上にいろんなものを得た感じだと思います」

助走、跳躍。自分のジャンプを確認しながら跳んだ

橋岡は結局、2本目がしっくりこなかったので3本目も跳んだ。「(2本目は)助走の4歩目ぐらいから腰がしっかり乗らなかった感じです。3本目は前に抜けて飛び出す感覚を得られました」。この跳躍で修正すべきポイントも見えた。「本番までに調整したいです」と話した。

世界で負けるほうが悔しい

この日は橋岡と同じく2本限定で臨んだ津波が2本目に8m08をマークし、橋岡を上回って2年ぶり2度目の優勝を手にした。津波への意識について聞くと「ユニバーシアードも一緒に行って、もともと仲もいいんで。彼のほうが1学年上で、こうやって大学の試合で戦うことも多いです。いい環境下にあると思います」。記録を狙っていなかったとはいえ、負けは負け。どうとらえているのか?「悔しいって気持ちはやっぱりありますけど、世界で負けるほうがもっと悔しいと思うんで。この結果でも自分が成長できる糧にはなった試合だったので、そこを修正していけたらいいと思います」と、あくまでドーハを見ていた。

世界に自分の存在を知らしめる

橋岡にとって初めての世界陸上だ。「チャレンジャーとして臨む大会だと思います。これから世界の常連になっていかないといけないので。しっかり入賞して、世界にも意識させていきたいです」。世界に「HASHIOKA」の名を売りこんでいくということ? 「結果的にそういうふうになればいいかなと思います」

橋岡(左)と津波(中央)はともに世界陸上に出場する

海外での試合では、現地の食事が合わなくて苦しむ選手も多い。橋岡は大丈夫そうだ。「とくにないです。海外でも国内でも、そのときの体に対して臨機応変にやってます」という。「僕はパンでもごはんでもいけるんで。海外でもパンがあれば全然(大丈夫)。適応しやすい体なのかもしれないです」と笑い飛ばした。

ひょうひょうとした雰囲気を漂わせながら、着々と本番への準備を進めてきた。
世界陸上のしょっぱなに、世界を驚かせる跳躍を見せられるだろうか。

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