大学陸上

特集:第88回日本学生陸上競技対校選手権

東海大女子のルーキー金光由樹 強気を貫き、トラックで世界へ! 

金光(右端)は日本インカレの予選でも決勝でも、序盤からレースを引っ張った(撮影・安本夏望)

第88回日本学生陸上競技対校選手権 女子1500m決勝

9月13日@岐阜メモリアルセンター 長良川競技場
13位 金光由樹(東海大1年) 4分31秒72

陸上の日本インカレ3日目の9月13日、女子1500m決勝で真っ先に飛び出したのは東海大ルーキーの金光由樹(ゆき、岡山操山)だった。しかしラスト1周、井手彩乃(福岡大3年、大村)を先頭に集団のスピードが上がると、金光はそのまま最後尾まで落ちた。何とか最後の直線で2人をかわし、13位でフィニッシュ。「出るからには優勝を目指してたんですけど、スパートの切れが悪くて……。自分の中でイメージはできるのに、体が動かなくて……」。我慢していた悔し涙がこぼれた。

男子に負けていられない 東海大・奥村紗帆

トラックで戦うために東海大へ

金光は昨年夏のインターハイ、3000m決勝で9分14秒51をマークして日本勢トップの5位。1500mでも4分18秒26で3位に入った。10月にはアルゼンチンであったユースオリンピックにも出た。多くの駅伝強豪校から声をかけられたが、金光が選んだのは東海大だった。東海大といえば今年の箱根駅伝で総合優勝した男子は全国的にも知られているが、女子長距離ブロックの部員は数人だけ。これまでは一般入試で入ってきた選手しかいなかった。

「トラックに集中して練習できる環境が、自分に合ってるんじゃないかなと思ったんです」。自分の走りを指導者と相談しながらメニューを立て、トラックでのレースを念頭に自分の練習に集中したい。そんな環境を求め、金光は東海大に来た。今年は金光も含めて1年生が4人入った。金光は「自分たちでチームを活気つけられたら」と思って走ってきた。

金光はトラックを中心にした練習を求め、東海大にやって来た(撮影・安本夏望)

練習メニューは原田兼由コーチがつくる。選手によって設定タイムが異なるほか、一人ひとりに合ったメニューに切り替えることもある。高校のころとの違いについて金光に尋ねると、「責任感」という言葉が出てきた。「練習しようと思えば本当に時間はたくさんあって、自分次第でやりたいことがどんどんできる。だから『自分で考えて動くしかないな』って思ってます」。自分で道を切り開くという覚悟が伝わった。

いつかは鈴木亜由子さんのような人に

金光は大学での目標を「世界」にした。「ユニバーシアードとか、U20とか、世界陸上とか、学生のうちから日の丸をつけて走りたいです」と言う。あこがれの選手はMGC2位で東京オリンピックマラソン代表に内定した鈴木亜由子(名古屋大~日本郵政グループ)。「競技に取り組む姿勢がすごいなと思ってて、実際に会ったときもオーラが違うと思ったんです。世界に出て日の丸をつけても映えるというか、キラキラしてる存在だなって。将来的には、私もそういう人になりたいです」と、うれしそうに話してくれた。

大学最初のシーズンは悔しいレースが続いた(撮影・松永早弥香)

金光の大学デビュー戦は6月の日本学生個人選手権の1500mだった。4分35秒55で予選落ち。日本インカレ1500m決勝でも思うような結果は出なかった。それでも金光の走りを見ていると、真っ先に飛び出していく強気な姿勢といい、強気な表情といい、並の選手ではないと感じさせられた。

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