大学アメフト

開幕2連勝の明治アメフト、優勝へのカギ握るディフェンスの現状は

ディフェンス第2列から“獲物”をうかがう明治のLB徳茂(すべて撮影・北川直樹)

関東大学リーグ1部TOP8 第2節

9月15日@東京・AGFフィールド
明治大(2勝)28-10 東大(2敗)

アメリカンフットボールの関東大学リーグ1部TOP8の第2節で、明治大が東大を28-10で下し、開幕2連勝とした。1985年以来の甲子園ボウル出場の期待を受ける明治のディフェンスに注目した。

東大にランで51ydしか進ませなかった

明治はディフェンスから。東大の最初のオフェンスでフレッシュを許さなかった。明治のファーストシリーズは、ランとパスをうまく絡めてドライブ。最後はパスを受けたWR九里(くのり)遼太(4年、明大明治)が個人技でタックルをかわし、先制タッチダウン(TD)を決めた。明治は第2クオーター(Q)早々にもTD。バランスアタックで着実に試合の流れをたぐり寄せた。東大はQB伊藤宏一郎(4年、立教池袋)のパスに切り替えて攻めたが、スピードのある明治ディフェンスに苦戦し、フィールドゴール(FG)を決めて3点を返すにとどまった。明治が14-3とリードして前半を終えた。

後半に入っても明治のバランスアタックがさえ、第4Q3分すぎにRB小泉亜斗夢(4年、足立学園)が9ydのTDラン。10分すぎにはRB近清秀樹(4年、成城学園)が1ydを持ち込んでTD。ディフェンスは第3Qにロングドライブを許した末にTDされたが、東大の反撃もこれだけ。明治ディフェンスが東大のランを51ydにとどめたのが大きかった。

経験豊富なDLとLB、能力の高い若きDB

明治は2016、17年とBIG8との入れ替え戦に回り、辛くもTOP8に残ってきた。しかし昨シーズンはTOP8で2位に躍進。その原動力となったオフェンスは主力が今シーズンも残っていて計算できる。優勝へのカギを握るのは、ディフェンスだ。

東大戦でタックルを決めた明治のLB角田

その中核となる第2列のLB(ラインバッカー)は、副将を務める徳茂(とくも)宏樹(4年、関西大倉)と角田(つのだ)隆司(同、法政二)を筆頭に、小原泰宏(同、明大中野)、久松遼平(3年、関西大倉)らも経験豊富で、学生界随一の充実ぶりだ。中でも徳茂は下級生のころからLBの中心選手として活躍してきた。昨シーズンの主将を務めた茂木(もてぎ)崇宏(現IBM)の穴は角田が埋め、「去年と同じが、それ以上の仕上がり」(徳茂)と、自信に満ちている。また、LBから2人が副将に入っていることからも、今シーズンのグリフィンズの中でどれだけLBの存在感が増しているかが伝わってくる。

LBだけではない。DL(ディフェンスライン)の佐々木友也と樋口諒(ともに3年)の駒場学園高コンビは、再三に渡って東大OL(オフェンスライン)陣のパスプロテクションを突破し、相手QBにプレッシャーをかけていた。ランに対してはDLがプレーを崩し、LBが仕留める。LBがすばやいリアクションで東大のRBをタックルするシーンが何度も見られた。ランを確実に止めることで試合の流れを握り、オフェンスにボールをつないだ。

東大戦で相手QBに襲いかかろうとする明治のDL佐々木

経験豊富なDLとLBとは対照的に、DB(ディフェンスバック)陣は下級生がレギュラーを占める。昨シーズン、DBの中でも最後尾を守るSF(セーフティー)で1年生ながらスターターを務めた村田幹太(2年、駒場学園)を外側を守るCB(コーナーバック)にコンバートし、逆サイドは1年生の野村馨(佼成学園)が務めている。SFには比留間豊(2年、同)と湯本晟主(あきもり、同、長岡向陵)が構える。この4人が春からコンビネーションを高めつつ活躍している。パスを捕られてからのタックルがよく、東大戦でも余分なゲインを許さなかった。徳茂によると、若きDB陣は普段の練習からいろいろ提案を出してくるそうで、プレー以外の面でも頼りになる存在だという。下級生の台頭が、いい刺激となっているようだ。

比留間(21番)、野村(22番)、村田(23番)ら明治の若きDB陣

学生自らプレーコール、求められる賢さ

東大戦で明治ディフェンスはふたつの目標を掲げて臨んだ。「一発TDを取られない」「ズルズルとドライブされない」だ。高橋輝ヘッドコーチ(HC)によると、出来は70点。マイナスの30点については、ひとつひとつのプレーに執着することなく、全員がゲームの流れを考えてプレーできるところまでは至っていないとの評価だ。

学生主体を掲げる明治はプレーコールもコーチでなく学生が決める。そうなるとフィールドで戦う選手自身がゲーム全体を把握する力が重要だ。高橋HCは東大戦で見えた具体的な課題として、反則でフィールドポジションが悪い中、FGにつながるドライブを許したシーンを挙げた。勢いを渡さないためにも、絶対に止めなければいけない場面で、どんな守り方を選択し、それぞれがどう動くか。上位校同士の接戦を勝っていくために、明治ディフェンスには冷静さや賢さも求められる。