慶應女子ラクロス 苦しみを乗り越え、つかんだFINAL4進出
関東学生ラクロスリーグ戦女子1部Aブロック
9月16日@千葉・フクダ電子スクエア
慶應義塾大(3勝1敗1分) 9-3 法政大(2勝3敗)
女子の関東リーグ1部Aブロックの最終戦は、大雨に見舞われた。慶應は第3戦で明治大に敗れ、一時は予選ブロック敗退もあり得る危機的状況に陥った。しかし続く成蹊大戦で勝利をつかみ、再びFINAL4進出への希望をつないだ。チームの命運をかけた法政大戦の前、主将の荒井理沙(4年、慶應女子)は「同じ気持ちで戦うだけ」。チーム一丸となって慶應の底力を見せつけ、FINAL4へ勝ち上がった。
立ち上がりから攻め、前半だけで6得点
慶應はリーグの序盤戦は立ち上がりが悪かったが、この日は違った。開始直後のドローを奪うと、スムーズにボールをつないで攻める。途中で相手にボールが渡っても、ディフェンス陣が奪い返した。すると第1クオーター(Q)8分、MF清水珠理(3年、慶應女子)が右サイドからねじ込み、待望の先制点。その後も慶應の攻勢が続く。MF脇坂遥香(4年、同)、AT荒井と頼もしい4年生たちが立て続けに追加点を挙げ、チームを引っ張った。さらにAT平井友香子(1年、同志社)が、相手のミスから速攻でつないだボールを相手ゴールへ放ち、6-0。圧倒的なスコアで試合を折り返した。
雨脚の強まる中で迎えた第3Q、AT陣の大黒柱である荒井が2連続得点を決める。だが法政も黙ってはいない。慶應は反撃を受けた。ここでゴーリーの西村佳子(4年、東京女学館)を中心としたディフェンス陣が奮起。慶應ゴールを守り抜いた。第4Q終盤に3失点してしまったが、9-3で快勝。慶應のFINAL4進出が決まった。
「女王・慶應」ではなくチャレンジャーとして
試合後、フィールド上には歓喜の輪ができ、慶應の選手たちは喜びを分かち合った。荒井は言った。「チームで守り、チームで得点する、ということができるようになりました」。確かに慶應は開幕後の数試合、個の力に頼るケースが多かった。しかしここ2試合では素早いパス回しからのシュートなど、連携を生かした得点が目立った。ディフェンス面の成長はさらに顕著で、試合を重ねるごとに失点が減っている。苦しみを乗り越え、少しずつではあるが今年のチームのかたちが見え始めてきた。
1カ月後の関東FINAL4で、慶應はBブロックを首位通過した立教大と相まみえる。4勝1分けという好成績で勝ち上がってきた難敵だ。しかし慶應にも、修羅場をくぐり抜けてきたという強みがある。「挑戦者という気持ちで」。副将の西村の言葉通り「女王慶應」の名を捨て、いま一度チャレンジャーとして立ち上がるときだろう。「チーム'19」の泥臭い戦いに期待したい。