バレー

早稲田男子バレー堀江友裕、常勝チームを主将として支える覚悟

堀江(左手前の1番)は主将としてすべきことを考え、悩みながら取り組んでいる(すべて撮影・松永早弥香)

秋季関東大学リーグ戦 第8日

9月29日@神奈川・専修大総合体育館
早稲田大(8勝) 3-1 筑波大(4勝4敗)

11日間にわたる秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦は9月29日に第8日を終えた。唯一全勝を守っているのが、2連覇中の早稲田大だ。この日は東日本インカレ覇者の筑波大が相手だっただけに、チームにはこの一戦をどう戦うかで今後が決まるという思いもあった。

王者・早稲田を支える4年生の結束

ルーキー大塚がチームを盛り上げる

早稲田はルーキー大塚達宣(たつのり、洛南)が攻守両面で活躍し、拮抗した展開の中で第1セットをつかんだ。しかし第2セットは筑波大の小澤宙輝(ひろき、4年、甲府工)にサービスエースやキレのあるスパイクを決められ、20-25で落とした。「攻撃が単調になってる。相手を戸惑わせるような戦術で臨まないと」と、松井泰二監督は危機感を強く持った。連続得点を奪われるシーンは多くなかったが、チームの柱である村山豪(3年、駿台学園)と宮浦健人(同、鎮西)が思うように得点を重ねられず、早稲田は耐える時間帯が続いた。

第3セットを迎える前、主将でリベロの堀江友裕(4年、開智)は、ひときわ大きな声でチームを鼓舞(こぶ)し、コートに向かった。早稲田は序盤は後手に回ったが、大塚が続けてスパイクを決め、さらに宮浦がサービスエースを決めて6-6に。流れをつかみ、25-17で第3セットをものにした。第4セットは早稲田が好スタート切る。精神的な余裕も生まれ、そのまま25-20で奪って8戦全勝とした。

「1年生だからって遠慮しなくていい」という松井監督の言葉を受け、大塚(奥の18番)は積極的なプレーを心がけている

松井監督は試合前、選手たちにこう伝えていた。「思いっきりぶつかってくる相手に対して受け身にならず、自分たちがいままでやってきたこと、攻めるということをしっかりやろう」。試合を終えて、堀江が感じていたところはそこだった。「劣勢になったときにまだまとまりきれてないところがあるんで、そこはキャプテンとして盛り上げていかないと。うまくいってないときにどう打開していくか、(秋季リーグ戦のあとに続く)全カレではそこが大事になると思うんで、いまの段階ではまだ課題です」と言った。

チームで強くなる。それは堀江がいま、一番心を砕いている部分だ。

東日本インカレでの敗北、主将として感じた責任

早稲田は大学の大会(春季リーグ、東日本インカレ、秋季リーグ、全日本インカレ)では2017年の東日本インカレで3位になったのを最後に、すべてで優勝を飾ってきた。今年は春季リーグ開幕前に堀江がけがから復帰し、全勝優勝。しかし、東日本インカレはまさかの3回戦敗退に終わった。

東日本インカレでは主力の村山と宮浦、さらには松井監督がユニバーシアードでチームを離れていたという事情はあった。しかしそれ以前に、自分たちがやりたいことをやれないまま終わってしまったという気持ちが大きく、堀江は「主将としての責任を感じました」と話す。監督と後輩二人がいない分を自分が背負う覚悟で試合に臨んだが、チームがうまくかみ合わなかった。ストレスが溜まり、個人のプレーをまっとうするので精いっぱいだった。

まずは4年生たちで話し合い、チームの声をすくい上げることから始めた。堀江は主将になる前から、言動で仲間を鼓舞するスタイルだった。しかしこのとき、堀江の言動が後輩にはストレスになっていることを知らされた。「マジか……」。主将は落ち込んだ。

「本当は自分が一番に気づかないといけなかったんです。上級生になって引っ張ることも必要なんですけど、それ以前にみんながどう思っているのかということが大切だったなって。前ばっかりを見てたところがありました。そこが一番の反省です」

U23日本代表としても戦う堀江の根本にあるのは「バレーが大好き」という気持ちだ。「こんなに楽しいんだから、もっと頑張ろうよ」と思ってしまうこともあったという。悩みながらもいま、チームにとって最適なスタイルを考え、行動している。

負けは負け、いまはそれだけ

松井監督に今年の早稲田の強さを尋ねた。「堀江の強いリーダーシップに、いつも冷静な武藤(鉄也、4年、東亜学園)、いまはけがで欠場している村本(涼平、4年、洛南)という4年生3人が引っ張っているチームです」。そんな4年生たちに支えられながら、全勝を守っている。

「村山(7番)と宮浦の攻撃力を生かしきれず、チームとしてうまく機能していないところがあった」と松井監督

昨年を振り返ると、早稲田は秋季リーグ戦で日体大に敗れて連勝記録が途絶え、その日体大に首位を明け渡した。しかし、この敗北をきっかけにチームがまとまり、10勝1敗で2連覇をつかんだ。

改めていま、東日本インカレでの敗北をどうとらえているかを堀江に尋ねた。「負けは負けです。負けたのには原因があるわけですから、それを追求していかないといけない。いまは負けに対してポジティブにとらえることはないです。その意味では、全カレが終わってからじゃないですかね。あのときはああだったね、って言えるのは」

厳しい言葉の中に、主将としての覚悟が見えた。

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