大学ラグビー

日体大が11年ぶりに慶應撃破! ランニングラグビーの神髄見せた

11年ぶりに慶應に勝ち、喜ぶ日体大の選手たち(すべて撮影・谷本結利)

ラグビー関東大学対抗戦Aグループ

11月4日@東京・上柚木公園陸上競技場
日本体育大(1勝3敗)30-27 慶應義塾大(2勝2敗)

44日間にわたるラグビーワールドカップ日本大会が終わり、一部中断していた関東大学ラグビーが再開された。11月4日は秋晴れの中、関東大学対抗戦Aグループの4試合があり、大学選手権優勝経験もある古豪の日体大が伝統の「ランニングラグビー」で躍動。17点のビハインドから、昨年度3位の慶應に逆転勝ちした。日体大の慶應戦勝利は3位となった2008年以来の出来事だった。

中断期間の積み上げに自信、0-17から逆襲

日体大が開幕から3連敗ということもあり、当然慶應が有利と見られていた。しかも慶應にとっては1899年の創部以来初の外国人選手となったニュージーランド出身のNo.8アイザイア・マプスアとCTBイサコ・エノサ(ともに1年、キングスカレッジ)が公式戦で先発デビューする試合だった。

まず慶應が主導権を握る。前半4分にCTBエノサ、20分にはWTB鬼木崇(1年、修猷館)、そして26分にはFL山本凱(2年、慶應)がトライ。日体大は0-17と苦しくなった。

突破にキックにと大活躍だった日体大のハラトア

それでも日体大は、1カ月半の中断期間の練習に自信を持っていた。就任5年目で元日本代表の田沼広之監督は「コンタクトや走り込みなど、もう1度、自分たちのレベルを上げるために苦しいことをやってきました」と振り返る。またキャプテンのCTB石田大河(4年、九州学院)も円陣で「ディフェンスとフィットネスを重点的にやってきた。一人ひとりが責任を持ってやっていこう」と、チームメイトに話していた。

ディフェンスで落ち着きを取り戻し、日体大が攻勢に出る。「帝京大戦(30-59で負け)の経験から、アタックでトライが取れるのは分かってました」と石田。失点後も「継続していこう」と、仲間に声をかけた。

徐々にリズム、12-17でハーフタイム

すると34分、日体大の攻撃に徐々にリズムが出てきた。石田がラインブレイクし、外に展開してWTB沢村舜(3年、鶴来)がトライ、さらに前半ロスタイム、本来はバックスリーながら、けが人の関係でNo.8でプレーしているハラトア・ヴァイレア(2年)がモールから抜け出してトライ。12-17と追い上げて試合を折り返した。

後半16分に慶應のNo.8マプスアがトライ、21分にはSO中楠一期(1年、國學院久我山)のPGを決められ、日体大は12-27とリードを広げられる。しかし日体大はハラトアが2本のPGを決めて18-27と追い上げる。

残り10分を切ると、日体大は自陣からでも積極的に展開。37分にはWTB田中大世(1年、甲南)のキックで相手陣へ。石田が抜け出し、左へ展開してハラトアがトライ。23-27と4点差にした。

ロスタイムに劇的な逆転トライを決めた沢村

さらにロスタイムにも石田がラインブレイクし、最後は沢村が左隅に飛び込んで28-27と逆転。ハラトアがゴールを決めて30-27とし、ノーサイドの瞬間を迎えた。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)にはFWながら、プレースキックやラインブレイクなどで気を吐いた日体大のハラトアが選ばれた。

U20日本代表でも活躍したイケメンのハラトアは「MOMに選ばれてうれしかった! 本当はWTBやFBがやりたいけど、No8も慣れてきました」と、笑顔で話した。

田沼監督「これでチームが加速する」

筑波大戦に続いてロスタイムでの逆転負けを喫した慶應の栗原徹監督は「まだまだ実力が足りない。それだけだと思います。留学生の2人はまだ1年生で、これから成長すると思うし、十分頑張ってくれてると思います」と話した。通算2勝2敗となり、大学選手権出場がかなり厳しくなったが、キャプテンのCTB栗原由太(4年、桐蔭学園)は「(11月10日の)明治戦ではやるしかない」と前を向いた。

敗戦後、一点を見つめる慶應主将の栗原(右)

勝利の直後、「ユニコーンズ」こと日体大ラグビー部の面々が喜びを爆発させた。目を赤くした田沼監督は「ワールドカップがいい刺激になった。走り勝つ、ランニングラグビーの神髄を少し見せられたと思います。(メンバー外の)サポートメンバーの準備もよかった。勝ったことでグラウンドの雰囲気もよくなるし、チームが加速すると思います」と、語気を強めた。

キャプテンの石田は「最後も自陣からアタックで継続できたことが勝ちにつながりました」と、誇らしげに言った。慶應から今シーズン初勝利をゲットし、残る青山学院大、筑波大、成蹊大戦で一つでも多く白星を積み上げたいところだ。

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