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ゴルフ信夫杯女子で日大2年ぶりV リーダーとして2年、田中のどかを待っていた歓喜

日大主将の田中(中央)は勝利の喜びをみんなと分かち合った(すべて撮影・北川直樹)

第20回信夫杯争奪日本女子大学ゴルフ対抗戦

10月31日、11月1日@千葉カントリークラブ・梅郷コース
優勝 日大 582(290、292)

ゴルフの信夫(しのぶ)杯女子で、日大が2年ぶり5度目の優勝を果たした。力を出しきれなかった昨年の悔しさを晴らすタイトル奪還だった。

ゴルフ朝日杯女子 日大・星川ひなのが初優勝、「狭間の世代」なんて言わせない

チームを変えるため、自分を変えた

最終組が最終ホールのグリーンにやってきた。すでにプレーを終えた日大の選手たちが集まり、その瞬間を待っていた。優勝が決まる前から、そわそわしている感じだった。

「雰囲気でチームワークが分かる感じですね。女子の場合は結構、雰囲気が大事なので。団体戦でも結局は個人のスコアで勝負します。ゴルフはメンタルのスポーツだから、チームへの思い入れが強いと、普段入らないパットが入ったり、ショットがいつもより飛んだりします。だから目標を共有しておくというのは大事だと思います」。主将の田中のどか(4年、日大櫻丘)は2年ぶりの優勝を決めたあと、熱っぽく語ってくれた。

当たり前のことだが、競技でものを言うのは学年でなく実力だ。今回の信夫杯では、男子以上に女子で下級生の突き上げが目立った。

田中は2年連続でチームリーダーを任された。3年生だった昨年、レギュラーの上級生は田中だけだったからだ。昨年の信夫杯ではもう一人の同期も出場していたが、初日に8オーバーをたたいて、2日目にプレーした上級生は田中だけに。スコアは78で、2日目にプレーした日大の5人中最下位となり、田中のスコアはカウントされなかった。

昨年の信夫杯、田中は誰よりも悔しい思いをした

チームを引っ張る立場の田中にとって、しんどい3年生の一年だったに違いない。「私が発言しないからまとまれない、という部分がありました」と振り返る。だから変えることにした。「今年は発言しようと思って、結構言うようにしました。みんなのモチベーションを上げて、いいサポートができるようにしてきました」。チームを変えるため、まずは自分が立ち上がった。

最終日の前半で逆転、1打差で逃げきった

田中が変わり、チームも変わった。2年連続でこの大会で活躍した星川ひなの(2年、熊本国府)は言う。「去年はチームのつくり方が難しくて、ずっとミーティングを重してました。今年はチームワークがたんだんよくなっていきました。大所帯なので難しいんですけど、朝練でも雰囲気がちょっと緩んでたら注意し合ったり」。その星川は信夫杯が始まる前日、個人戦である朝日杯で初優勝。日大にいい流れを呼んでいた。

信夫杯の初日、1年生の岩崎美紀(埼玉栄)が8オーバーをたたいた。田中が振り返る。「すぐに切り替えられる子なので、チームの雰囲気を明るくしようと頑張ってくれました。2日目はサポートに徹してくれて、流れが悪いときでも、岩崎のサポートで雰囲気は明るくなりました」。田中がこれまで心を砕いてきた取り組みが、チームと田中自身に返って来はじめていた。

日大は星川を筆頭に、2日目の前半から好調を維持した

2日目は首位の東北福祉大から3位の日大までが3打差という団子状態でスタートした。「みんなが自分の力を信じたというか、自分の力を出そうとして頑張りました」と田中。前半ラストとなる18番では、グリーン奥のピンに向かって果敢に攻める姿勢が日大に目立った。「アドレナリンが出ますから」と語った星川は、森はな(3年、日大)とともに35で前半を終えた。田中も36でまとめ、この時点で日大がトップに立っていた。

日大勢は後半も好調を維持し、首位のままホールアウト。昨年優勝の東北福祉大に1打差まで追い上げられたが、何とか逃げきった。星川は後半の9ホールも34でまとめ、最終的には朝日杯と信夫杯で優勝、さらに信夫杯の最優秀選手に輝いた。

「今回は本当に、絶対に優勝したかった」。田中は優勝の喜びをかみしめて言った。リーダーとして悪戦苦闘した2年間の最後の最後に、格別の歓喜が待っていた。

東北福祉大にリベンジを果たし、日大の選手たちは喜びをかみしめた(左から3人目が田中)

「失敗から学んで、チームワークをよくしようといろいろやってきました。今年の後半戦はとくにそうだし、チームワークはいまが一番いいと思います」。そう断言する主将とおそろいのリボンが、表彰を受ける日大の選手たちの髪に揺れていた。大会ごとにみんなでそろえる「チームの絆」の証。11月の千葉に、ピンクの花が咲き誇っていた。

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