ラクロス

特集:第11回ラクロス全日本大学選手権

明治大女子ラクロス、ファイナルで立教大に敗北 全国制覇の夢は次世代に

試合後の挨拶(あいさつ)をする明大の平島主将

関東学生リーグ戦 ファイナル

11月9日@東京・駒沢オリンピック公園第二球技場
明大(1部A1位)4-6立教大(1部B1位)

2015年以来の日本一奪還を目指す明治女子ラクロスが、関東代表をかけたファイナルに挑んだ。しかし、立教大の強固なディフェンスを打ち破ることができず4-6の僅差で惜敗。全国出場が目前だっただけに悔やみ切れない結果となった。

生かし切れなかった持ち前の攻撃力

明大は、持ち前の攻撃力を生かすことができなかった。第1クオーター(Q)では互いに攻めあぐねる中、ペナルティーからチャンスを作るとAT平島千萌主将(4年、東京成徳)が先制シュートを決め試合を動かす。そこで流れをつかみたいところだったが、第2Q開始2分に敵陣からのカウンターにディフェンスが間に合わず、同点シュートを決められてしまう。さらに3分後にもシュートを決められ逆転を許した。その後はG(ゴーリー)桃井美沙(3年、鶴嶺)の好セーブやDF山田愛梨(4年、市ヶ尾)らのディフェンスからチャンスメイクはするものの、立教大の堅い守りに阻まれシュートに持ち込めず得点につながらない。

平島の先制点で試合の均衡が破られた

1点ビハインドで迎えた第3Qでは、桃井のセーブからチャンスを作ると「絶対に決めてやる思いで1on1をかけた」(AT内野彩香・2年、所沢北)と、内野が執念のシュートを決め同点に追い付く。しかし第3Qの12分にディフェンスの隙を突かれ逆転のシュートを許すと、立て続けに攻め込まれるなど防戦一方の展開。さらに第3Q終了間際にも追加点を決められ、2点差で勝負は最終第4Qへ。1点を追加され2-5で迎えた11分。MF佐藤啓(3年、星稜)がドローを奪うと速攻を仕掛け、最後はMF坂本季菜(4年、大和)がゴールネットを揺らし1点をもぎ取る。さらに連続でドローを制すと内野がディフェンスの穴に切り込みこの日2点目のシュート。4-5と1点差まで詰め寄ったが、明大の反撃もここまで。逆に1点を追加されると、そのあとはボールの支配権を奪うことができぬまま試合終了のホイッスル。全国大会に駒を進める望みはかなわなかった。

この日、後半だけで2得点を挙げた内野

全国制覇の思いは次世代へと托す

「基礎力不足」。試合後には指揮官、プレーヤー共に口をそろえて語った。それでもリーグ戦、ファイナル4では互いの足りないものを補い、チーム力を磨いて勝ち上がってきた。「リーグを通して、チームが一つにまとまっていくのを感じた」(内野)。しかしファイナルの壁はチーム力だけでは破ることはできなかった。「オフェンスがゲーム時間を作れなかった」(井川祐之ヘッドコーチ)と課題を指摘。この試合をもって、チームを牽引(けんいん)してきた4年生は引退する。「(後輩に)託します」と平島主将。「日本一になって恩返しをする」(内野)と、次の世代はすでに先を見据えている。悔恨を受け継ぎ、全国制覇への険しき道のりがまたここから始まる。

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