東北福祉大の豪腕・津森、エラーに泣く 東海大がサヨナラ勝ちで準々決勝へ
第50回明治神宮野球大会
11月16日@神宮球場
1回戦 東海大(首都)9ー8 東北福祉大(仙台六)
第50回記念明治神宮大会第2日、大学の部1回戦最後の試合は、東北福祉大に土壇場のエラーが続出し、東海大がサヨナラ勝ちした。8-8の9回裏、東海大の攻撃は2死満塁。ここで串畑勇誠(3年、広陵)の放った打球を捕った東北福祉大の津森宥紀(4年、和歌山東)が一塁へ悪送球。三塁ランナーの杉崎成輝(4年、東海大相模)がサヨナラのホームを踏んだ。東海大は18日の準々決勝で中央大(東都)と対戦する。
ランナーが出れば何かが起こる!
大会屈指の好カードは序盤から点の取り合いとなった。
東北福祉大は8-8に追いついた7回から、ソフトバンク3位指名の津森をマウンドに送った。津森は7、8回をいずれも三者凡退に抑える。
「津森君が出てきて、球が走ってましたから『なんとか塁に出よう』と言い続けました。ランナーが出れば何かが起きてくれると思ってました」。東海大の安藤強監督は試合後に振り返った。
そして9回裏、東海大の攻撃。安藤監督の言った通りのことが次々に起こった。1死から3番杉崎が打ち上げた球を三塁手が落球。4番海野隆司(4年、関西)がサードへゴロを放つと、サードからの送球を受けたファーストの足がベースから離れてしまう。続く5番藤井健平(4年、大阪桐蔭)のセカンドへのゴロもエラーを誘う。2死満塁となり、7番串畑の打球が津森の前に転がった。延長タイブレークかと思われた次の瞬間、津森がファーストへ悪送球だ。杉崎がサヨナラのホームを踏み、東海大に歓喜のときが訪れた。
「エラーが続いて、自分がなんとかしようという気持ちが強くて。最後、落ち着いて投げてればよかったのに……。このユニホームを着てプレーできるのはこの大会が最後。いけるところまで投げるつもりでした」。津森は悔しそうに最後のシーンを振り返った。
1点ビハインドの4回から3番手でマウンドに上がり、9回までの6イニングを3失点でとどめた東海大の宮路悠良(2年、東海大高輪台)のピッチングも光った。「よく投げてくれました。流れをこっちへ持ってきてくれた」と、安藤監督は2年生の好投をたたえた。
宮路、高杉はこの経験を次に生かしてほしい
東海大・安藤強監督の話
「宮路も先発の高杉(勝太郎、2年、東海大札幌)も、まだ経験が少ないのによく投げてくれた。この経験を次に生かしてほしい。きょう、ウチは6安打でも相手のエラーが絡んで9得点。守備の大事さですね」