大学ラクロス

特集:第11回ラクロス全日本大学選手権

足手まといだった自分と決別、阪大ラクロス渋谷研都はラストイヤーをやりきった

準決勝で関学に負け、渋谷に涙があふれた(すべて撮影・安本夏望)

ラクロス関西学生リーグ戦・男子1 FINAL4準決勝

1026日@大阪・鶴見緑地スタジアム
大阪大(4位)2-4 関西学院大(1位)

ラクロスの関西男子1部の準決勝が1026日にあり、大阪大が関西学院大に2-4で敗れ、決勝進出を逃した。これが学生最後の試合となった阪大の4回生DF(ディフェンス)、渋谷研都(しぶや・けんと、坂出)は、自らのミスを悔やんだ。

勝負どころで前に出られなかった 

スタジアムに関学の凱歌が響く。阪大の選手たちは、ぼうぜんと立ちつくした。渋谷が真っ先に泣き始め、ほかの選手も泣いた。崩れ落ちた渋谷は、しばらく座ったまま立ち上がれない。「僕のミスで負けさせてしまった。もったいないし、悔しい。チームメイトには申し訳ないです。もう、取り戻せないし……」。自分を責めた。 

準決勝では出足が遅れ、後手のディフェンスになった

リーグ戦を1位で通過した関学を相手に、ロースコアゲームを展開した。前半は1-1。相手エースのAT(アタック)武藤玄弥(3年、関西学院)にシュートを打たせない。渋谷も武藤を激しくマークした。だが、後半は渋谷のミスから流れが関学に傾いた。第3クオーター(Q)2分すぎ、きれいにゴールが空いた状態から勝ち越しシュートを許す。さらに、第3Q4分すぎには、関学のMF(ミディー)下司曜平(4年、桜塚)に決められた。「僕がカバーしてて、前に出たらよかったんですけど、出るのが遅れた。試合前から『出よう』という意識があったんですけど……。ダメでした」と渋谷。阪大のリズムが崩れた。 

「ずっと足手まといだった」

4年間を振り返り、渋谷が言った。1回生のころは、フレッシュマンチームの主力だった。2回生になり、ほかの選手との実力差を痛感するようになる。1on1で相手が止められない。落ちているボールをクロスですくい上げるグラウンドボールができない。先輩から怒鳴られる日々。「練習に行くのが嫌で嫌で、苦しかった」。3回生からリーグ戦に出るようになったが、先輩の邪魔にならないようについていくだけだった。 

仲間たちは、最後まで支えてくれた

最後のシーズンは、こんな自分に決別したい。そんな思いで、誰よりも練習に打ち込んだ。自分の弱さに向き合った。毎日、一人もくもくと、居残り練習。壁打ちや、ボールを転がしてはクロスですくう動きを繰り返し、体に染み込ませた。何よりもラクロスを優先し、就職浪人することになった。目に見えてうまくなった。「それまではチームメイトに発信しても、受け入れてもらえなかった。スキルが上がったら、発言力も変わりました」

「必死で打ち込めば、見えてくるものがある」

 この日は先輩たちも応援に来てくれた。「渋谷がキーマンやな」「お前が阪大のディフェンスを支える日が来たか」。試合前に言われて、少しうれしかった。自分で決めてやり抜いてきた日々が、報われたような気がした。

最後の1年で変わろうとした渋谷は、人生において大きなものを手に入れた

 高校まで続けたサッカーをやめて、阪大でラクロスを始めた。「長い4年間でした」と言って、笑った。「必死で打ち込めば、見えてくるものがあると思った。打ち込めば、打ち込んだだけ成長できる。ただ、そこにいるだけじゃ何も得られないと思いました」。確かにラストゲームに後悔は残った。それでも渋谷は、阪大ラクロスで、人生に大きな意味を持つ4years.を過ごせた。

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