25年ぶりの全勝対決は明治が早稲田に完勝、4年ぶりの対抗戦制覇
関東大学対抗戦Aグループ 第7週
12月1日@東京・秩父宮
明治大(7勝)36-7 早稲田大(6勝1敗)
今年の早明戦は関東大学対抗戦の優勝決定戦になった。両者が開幕から全勝同士で対戦するのは、1994年以来25年ぶりのことだった。
10-7で迎えた後半に明治がキャプテンのHO武井日向(4年、国学院栃木)らによる4トライで突き放し、36-7で完勝。無傷で4年ぶり17度目の対抗戦優勝を飾った。明治の全勝優勝は21年ぶり。95回目を迎えた早明戦の通算成績は、明治の39勝54敗2分となった。
後半の4トライで突き放す
明治のこの試合のテーマは「クラッシュ・ザ・メンタル」だった。25年ぶりの全勝対決での早明戦、約23000人の観衆の前で、平常心でいつもやってきたプレーを貫きつつ、相手をメンタル面で上回るのが、その意図だった。
「前半は確実に厳しい試合になると分かってました」と明治の武井キャプテンが振り返ったように、試合序盤は早稲田のSO岸岡智樹(4年、東海大仰星)のゲームコントロールがさえていたこともあり、明治は思うようにエリアを取れなかった。
前半17分、明治はLO箸本龍雅(4年、東福岡)のトライで先制したが、スクラムを起点に早稲田の岸岡にトライされ、7-7と追いつかれる。明治は前半の最後も攻め込んだが、早稲田の粘りのディフェンスの前にトライに至らず、10-7で試合を折り返した。
明治は後半、攻勢に出る。2分、8分に武井がトライを挙げて24-7としてゲームの主導権を握った。「前半の我慢比べに耐えて、後半のスコアにつながりました。15人全員が粘り強く、当たり前のことを当たり前にできました」と明治の田中澄憲監督。武井は「後半の入りがよくて、2本トライを取って早稲田の選手たちをメンタルの部分で崩していけたのが、今日の勝利に影響したと思います」と言った。
明治はベンチメンバーが入っても早稲田に主導権を渡すことなくPR安昌豪(4年、大阪朝高)、WTB山村知也(4年、報徳学園)がトライを挙げて、ディフェンスでは後半は相手を零封した。
MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた明治大のLO箸本は「1週間、しっかり準備してきたことをすべて出しきれてよかった。この勝利は通過点だと思うので、もっと成長していきたい」と、前を見た。
明治は大学選手権初戦は12月21日の準々決勝(相手は関西学院大か九州共立大か朝日大)だ。対抗戦2位となった早稲田も同日、準々決勝(相手は日大vs京産大の勝者)を迎える。
当たり前のことを当たり前にできた
明治・田中監督の話
「25年ぶりの全勝対決ということで最高の舞台が整いました。FW、BK関係なく、15人全員が粘り強くディフェンス、アタックし、当たり前のことを当たり前にできたのがこのような結果につながった。(大学選手権に向けて)メンバーを交替してからスクラムが押せなかった。成長させる部分としては、リザーブメンバーのスクラム、ラインアウトです。23人で戦えるようなチームにしていきたい」
明治キャプテン武井の話
「いつも通りのプレーができました。去年の明治でもできなかった部分ですし、優勝した経験が付いてきたと思います。今日の試合は通過点です。まだまだ目標は達成してません。(大学選手権は)連覇というよりは今年のチームで日本一をとること、(スローガンの)『真価』を体現したいです」
早稲田・相良南海夫監督の話
「満員の観客の中で、全勝同士で早明戦ができてうれしかった。自分たちのやってきたことをどこまで出せるかということでしたが、明治の方が上手だった。ポジティブにとらえると、自分たちの立ち位置が分かった。1対1のところはある程度戦える手応えありましたが、これでは明治に勝てない。今日、選手たちの方が僕らより一番どこに差があるかを感じたと思いますので、勝つために何をしなければならないかを話して12月21日を迎えたいです」
早稲田キャプテン齋藤直人の話
「自分たちのミスから明治の強力なFWに食い込まれて、自陣に釘付けになってしまった。 SHとしてはエリア取りの部分で修正できなかった。 (大学選手権に向けて)すべての(プレーの)精度を上げるしかない。昨シーズンで1月2日に明治に負けたときも、すべての精度で上回わられれていたと感じました。1カ月弱しかないですが、やるしかない」