大学陸上・駅伝

特集:第96回箱根駅伝

8位の駒澤大 大八木弘明監督「課題は見えている、若いチームを作っていく」

復路鶴見中継所、運営管理車から選手を見つめる大八木監督(撮影・安本夏望)

第96回箱根駅伝

1月2、3日@大手町~箱根の10区間217.1km
8位 駒澤大 10時間57分44秒

1月2、3日にあった第96回箱根駅伝。「5強」の一角に数えられ、「3位以内」を目標にしていた駒澤大学は一度も先頭争いに絡むことなく、8位に終わった。

駒澤大のスーパールーキー田澤廉 7人抜きで区間新記録でも「悔しい」

高速化したレースに対応しきれず

1区(21.3km)を担当したのは駅伝主将の中村大聖(4年、埼玉栄)だったが、思うようにペースが上がらない。結果的にトップと54秒差の9位で2区(23.1km)の山下一貴(4年、瓊浦)へ襷(たすき)リレー。3回目の2区となった山下は区間のほとんどが単独走となった。安定したペースを刻むが、明治大の加藤大誠(1年、鹿児島実)、さらに後ろから猛然と追い上げる東洋大の相澤晃(4年、学法石川)と東京国際大の伊藤達彦(4年、浜松商)、拓殖大のラジニ・レメティキ(1年、オファファ・ジェリショ/ケニア)に抜かれて13位に後退してしまう。

山下(左)は「悔しい、4年間で一番だめ」と口にした(撮影・藤井みさ)

山下から襷を受け取ったのは、スーパールーキー田澤廉(1年、青森山田)。大きなストライドで前を追い、1時間1分25秒の区間新記録。しかし日本人1位は帝京大の遠藤大地(2年、古川工)に譲り、悔しさをあらわにした。4区小島海斗(3年、市立船橋)、5区伊東颯汰(3年、大分東明)とつなぎ、箱根山中では大八木監督の「男だろ!」も飛び出したが、順位を上げられず。芦ノ湖へは8位で入った。

復路6区(20.8km)は2年連続で中村大成(4年、東北)が担当した。昨年を上回る58分46秒で駆け抜け順位を2つ上げたが、区間6位。その後区間5位、11位、13位と続き、最終10区(23.0km)では石川拓慎(2年、拓大紅陵)が早稲田大の宍倉健浩(3年、早稲田実業)とラストの直線でデッドヒートを演じるも、一歩及ばず。わずか1秒差で8位となった。

わずか1秒差。鶴見中継所での3秒差を逆転することはできなかった(撮影・藤井みさ)

大八木監督「田澤がエース」

レース後、大八木監督は「『集団(チーム)』としては走れるが、まだ『個』で走れる力がない」と現状を評価した。いまはチームを作っているところで、1、2年生を中心に鍛えていくと話した。「今回はまだ若いチームを作れなかった」と反省点を口にする。

1年生ながら堂々たる走りを披露した田澤については、「条件もよかったので、区間新はいけると思った」と信頼を語る。今シーズンはスーパールーキーという位置づけだったが、来シーズンからは「田澤がエース」とキッパリ口にした。

最高学年となる3年生への期待

大八木監督がもう一人のエースとして期待するのが、7区(21.3km)を走った小林歩(3年、関大北陽)だ。実は小林は箱根の2週間前に足が痛くなり、けが明けでの出場だった。「よく踏ん張った。小林は気持ちが強い選手」と目を細める。一方で小林から3年生3人の襷リレーとなった8区(21.4km)の加藤淳(3年、西脇工)が区間11位、9区(23.1km)の神戸駿介(かんべ、3年、都松が丘)が区間13位と踏ん張れなかったことについては「もともと不安視していた区間だった」という。

神戸(左)が主将となる新しいチームが駒澤の新時代をつくる(撮影・安本夏望)

神戸は全日本大学駅伝のときも3区区間16位の悔しい走りで、今回も悪いイメージを払拭しきれなかった。新チームの主将に任命された神戸は一般入部でここまで努力してきた選手で、他の選手の苦労や悩みもわかるリーダーとなるに違いない。

「やはり青学は強かったな。ヴェイパーフライを履くようになって余計にね(笑)」と最後は締めた大八木監督。箱根翌日、4日からすでにチームは始動した。春には力のある1年生も入ってくる予定だ。大八木監督が目指す「若いチーム」へ。どう変わっていくのかこれからも目が離せない。