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連載:本とアスリート

「一家団結」やセカンドキャリアのために 川崎ブレイブサンダース・辻直人

Bリーグ・川崎ブレイブサンダースでプレーする辻直人(30)に思い出深い本や大学生に読んでほしい本を紹介してもらいます。辻は青山学院大学卒業後、2012年に東芝ブレイブサンダース(現・川崎ブレイブサンダース)に入団。日本代表にも選出されています。そんな辻が2冊の実用書とともにオススメするスポーツマンガは……。

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プロバスケ選手として活躍する辻だが、子どものころの夢は「プロ野球選手」だったという(提供・B.LEAGUE)

「ドカベン」(水島新司著、秋田書店)
とても個性豊かな高校生がたくさん出てきます。中でもイワキ(岩鬼正美)は群を抜いていると思います。読んでもらえれば分かっていただけると思いますが、高校生離れしたパワーと野球選手離れしたセンスがすごいです。スラスラと読める面白い野球マンガで、小学生のころから実家で読んでいました。そんな中でも、心に響く言葉や、仲間との絆も感じられます。ぜひ読んでみて下さい。

「自分の小さな『箱』から脱出する方法」(アービンジャー・インスティチュート著、大和書房)
この本では会社内や家庭内の人間関係など、世の中の人間関係について書かれています。その話を自分自身に置き換えて考えることができ、まさに図星なこともありましたし、納得させられることも多々ありました。「箱」という言葉を使っていて、進むにつれて少しずつ内容が複雑になっていきます。より理解しようと考えながら読んだり、読み返したりして読み切りました。人生を過ごす上で、人間関係は欠かせないと思います。僕は会社もチームも同じだと思っています。チーム内での人間関係をうまく築くには、まずは自分に焦点を当てて、自分のその時その時の感情や気付きを見逃さず、それらを素直に言動へ移していく。そうすることで僕もより良い人間関係を築けていけるのではないか、と思いました。そしてこの本にもあるように、振り返ると自分にとって都合のいいように解釈していた部分があったと思い当たる部分があるので、そこをこれから修正できたらなと思っています。これ以上話すとネタバレになるので(笑)。みなさんも読んでみると、いろんな気付きがあるかもしれませんよ。

「起業を考えたら必ず読む本」(井上達也著、明日香出版社)
今成功している社長さんが、起業した時の苦労や失敗談を交えて、読者に注意点を伝えてくれる本です。そして、起業を考えた時にどんなことを職にした方がいいのか、起業する時に必要なことや不必要なこと、起業後の会社経営のアドバイスなども、自身も株式会社フリーウェイジャパンを起業した筆者が伝えてくれています。なぜこの本を手に取ったかというと、セカンドキャリアを少し考えるようになって、今の間に少しでも何かしら知識を入れておこうと思ったからです。この筆者の井上達也さんも、サラリーマンをやめて起業されているので、いわばセカンドキャリアに近いものを感じました。ただ、僕の場合はまったく違う分野ではあるので、業界の違いを感じることはありましたが、読んで良かったなと思いました。

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