大学サッカー

連覇を目指す明治大学が全勝を守る 関東大学リーグ序盤注目の早明戦

J内定者がずらりと並ぶ明治大DF。左から佐藤瑶、蓮川、常本。右端は早稲田大の杉山主将(撮影・すべて森田博志)

関東大学サッカーリーグ戦1部第5節

8月1日@流通経済大学龍ケ崎フィールド
明治大(勝ち点15)1-0早稲田大(9)

リーグ序盤の大一番、全勝の早明戦があり、連覇を目指す明治大学が早稲田大学を振り切った。1部12チームで唯一の全勝となった明治大の栗田大輔監督は「しっかり成長しよう、ベストを尽くそうというのが両チームにあり、非常に中身の濃いゲームだった」と振り返り、早稲田大の外池大亮監督も「負けは悔しいが、誇れるチャレンジができた」とお互い収穫の多い試合となった。

早大「ゼロトップ」に対応したJ内定の明大DF

早稲田大はFWを置かずにMF6人を配した「ゼロトップ」でスタートした。外池監督はその意図を説明した。「狙いはサイドに素早く数的優位を作って、そこから仕掛けて自分たちの時間を作り出したかった。明治の守備の強度が高いのはわかっていた。もっと展開できればよかったが、入りの部分で圧力に屈して失点をしてしまった」

DFに常本佳吾(4年、横浜F・マリノスユース→鹿島アントラーズ)、佐藤瑶大(4年、駒沢大→ガンバ大阪)、蓮川壮大(4年、FC東京U-18→FC東京)とJ1内定者をずらりとそろえる明治大はきっちり対応した。

前半12分、先制点を挙げ喜ぶ明大MF稲見(中央)。右は須貝主将

明大初先発の稲見が値千金のゴール

そして12分、相手陣でボールを奪うと一気にゴール前へ迫り、MF稲見哲行(3年、矢板中央)がこぼれ球を右足で蹴り込んで先制した。狙い通りのショートカウンターが決まった。

リーグ戦初先発だった稲見は「チャンスをもらったんで、やってやろうと思っていた。監督から『モビリティー(機動性)を出してどんどん前へ行ったり、切り替えたり自分の強み生かせ』と言われていた。得点シーンもボールが前に転がってきたんで、いくしかないと思った」と笑顔をみせた。起用された選手がいきなり活躍できるのは、トップチーム以外も意識高く取り組んでいる明治大の強みでもある。

気迫の早大が意地みせる

序盤の先制点で、王者は余裕を持って試合を運べるはずだったが、そうではなかった。常本は「1-0のリードをもっと有効に使い、明治らしいサッカーを体現しないといけなかったが、主導権を握って持つ時間が少なく感じた」と反省した。

早稲田大は、少しずつ中盤の構成を変えることで、うまく攻め込む形を作っていった。何より相手に向かっていく姿勢を出せた。DFの杉山耕二主将(4年、三菱養和SCユース)は「日本一、リーグ制覇という目標を立てている上で、(昨季王者の)明治が一つの基準と思うし、必ず勝ちたいという思いが気迫につながった」。後半からワントップにFW加藤拓己(3年、山梨学院)を投入すると、勢いはさらに増した。

体を張った防御でチームを引っ張った早大の杉山主将(右)

明治大の栗田監督は早稲田大のそんな姿勢から学んだと言う。「90分を通じて、実直に出し切るというか、やりきるというか。どっちが勝っているチームなのか、と思う瞬間が何度もあった。そういった部分を越えられないと、こういう毎日を積み重ねている早稲田と、まだムラがある明治が、あと数カ月後にやったら、きっと早稲田の方が強くなる」と次の対戦までを想像してみせた。

それでも、ゴールを割らせなかった明治大はさすがだ。最終盤はより守備的な3バックにシステムを変更したが、「流動性」をテーマに掲げるチームはきっちり対応した。2、3節は連続失点したが、これで2試合連続無失点。常本は「後ろのラインはJリーグ内定者がいる中で絶対ゼロに抑えたいとやっていた。少し前は失点多かったが、しっかり話し合い、このままじゃダメだと練習の中から追求してやっきた」と振り返った。

厳しいマークをみせた明大DFの常本(左)

リモート早明戦、伝えたかったこと

関東大学リーグはこの第5節から順天堂大学が参加し、ようやく12チームがそろった。リモートマッチなどコロナ禍で様々な影響はまだ続く。そんな中での熱戦だった。早稲田大の外池監督は「早明戦といえば、大学スポーツのメジャーコンテンツ。この試合に(思いを)かけられたのは明治さんの力も非常に大きかった。大学は、ただサッカーをやるだけじゃなく、各チームのアイデンティティーをしっかりぶつけていく。そこで、Jリーグとの違いを示していくのもすごく大事と思う」と話していた。

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