大学陸上・駅伝

青学陸上部の食事は1日14品目+笑顔! 夏合宿に向けて走れる体と心をつくる

青山学院大学陸上競技部 長距離ブロックの強さの秘密を食事の面からうかがった(上から時計回りに、町田寮でのランチ、フィジカルトレーナーの中野さんのランチ、合宿所での食事)

長い梅雨が明けて本格的な夏を迎えるにあたり、大腸活コンソーシアムは8月5日、オンラインランチ会「みんなと食べる!大腸活テーブル」を実施した。ランチ会には青山学院大学陸上競技部 長距離ブロック監督の原晋監督や寮母を務める原美穂さん、主将の神林勇太(4年、九州学院)らも参加。夏に負けない体づくりなど、夏合宿などでも参考になるトークが飛び出した。

1日14品目、ときにはデザートも楽しんで

今回のオンラインランチ会には一般参加者も含めて200人以上が参加し、「いただきます」の声でランチを楽しみながらトークを繰り広げるというスタイルで進行した。青学の町田寮からは原監督と美穂さん、神林の3人がオンライン上にそろい、今日のランチを発表。この日は美穂さんの手作り弁当だった。肉、野菜、卵、海藻などと品目がとれるように配慮されたメニューで、味噌汁にはタマネギやワカメ、麩(ふ)、しその葉の具が詰まっていた。

「全体的に色があまりきれいじゃないんで、本当は赤のトマトを入れたかったんですけど……」と美穂さん。神林はトマトが苦手らしく、そんな神林を思ってのメニューだったという。寮では朝晩にトマトを提供している。「寮の食事は残しちゃいけないから、(トマトを)お昼にも出したらかわいそうだなって」。美穂さんの思いやりに神林も苦笑いで返した。

この日の町田寮のランチは美穂さんの手作り弁当だった。あえてトマトがなかったのは神林への思いやりだ

ランチとともに、長野県の合宿所で提供された食事も紹介された。色とりどりの料理が並び、デザートまでセットになっている。「箱根駅伝を走るような選手の場合、体重を気にして甘いものを食べないんじゃないかとよく言われるんですけど、そんなに規制せず食事を楽しんで、バランスのとれた食事をとるようにしています」と原監督。甘いものが好きな学生も多く、デザートの大きさの違いでじゃんけん大会になることもあるそうだ。

ただ、これらの食事はあくまでも一例。1週間、1カ月と長いスパンでバランスのとれた食事をとり続けることが大切になる。「練習も同じですよ。1日50~100km走っても強くはならない。日々コツコツ。練習も栄養も一緒」と原監督は加える。

オンラインランチ会には、同ブロックのフィジカルトレーナーを担う中野ジェームズ修一さんも参加。料理好きの中野さんは毎日、自分で料理をしている。この日の中野さんのランチは、野菜を添えたイワシのパスタ、果物、ヨーグルト。「1日14品目とることを学生たちにも指導しているんですが、パスタの量は少なくてもこれで6品目もあり、1日に必要な品目の半分程度はしっかりとれています」と中野さん。

厚生労働省は昔、1日30品目を指標としていたが、現在は14品目で十分だと中野さんは言う。「品数を多くし過ぎてしまうとカロリーオーバーになってしまいます。一般の方は海藻とかキノコなどが抜けがちなんですけど、食物繊維もとれるし満腹感も得られますし、意識してもらえたらいいと思います」とアドバイスしている。

夏を乗り切るため、お味噌汁も白米もしっかりと

これから夏合宿に向かう学生たちに対し、原監督と美穂さんがとくに気をつけているのが熱中症や脱水症対策だ。朝起きてすぐにコップ1杯の水を飲み、食事中もしっかりお味噌汁を飲む。寮での食事だと一人分のおかずの量は決まっているものの、白米と味噌汁は各自で量を調整している。そのため美穂さんは各自の白米と味噌汁の量にも気をかけながら、ちゃんとミネラルやビタミンなどがとれているかをチェックしている。

夏はとくに選手が熱中症や脱水症にならないよう、原監督も日常生活から選手たちに注意を促している

脱水症対策としては、水分だけでなく糖質もとらないと体に水分を溜められない。「白米をしっかり食べることも脱水対策」だと中野さんは加える。また神林も夏は合宿などで距離を踏むため、食事の中でもとくに炭水化物を摂取してエネルギーを蓄えることに意識を向けていると言う。実際、今春に青学を卒業した吉田祐也(GMOアスリーツ)は中野さんの指導を受け、毎食白米を300g計量しながら食べていたという。その積み重ねで、初マラソンとなった今年2月の別大マラソンで日本歴代2位となる2時間8分30秒をマークしている。

みんなで楽しんで食べることが大事

寮ではバランスのとれた食事とともに、みんなと一緒に食事をとる「共食」にも心がけている。「最初は個別に食べていたんですが、見ると好き嫌いをしていて残っているものが多すぎました。友達や家族とだと同じご飯でもおいしく感じられるし、しゃべりながらなら咀嚼(そしゃく)の回数も唾液の分泌も増えていいのかなと考えて、みんなで食べようという形にしました」と美穂さん。前述の通り、学生には残さず全部食べるように指導しているが、嫌々ではなく楽しく食事ができるようにしたいと考えている。

神林は仲間との食事が楽しく、食事に1時間もかかることあるという

実際、神林は「食べることよりも話すことを優先してしまうぐらい、楽しく食べている」と話し、ときには食事に1時間かかることもあるという。そんな学生たちを見て、美穂さんは「うちの寮の食事は本当にうるさい(笑)。脚が速い子の方が食事が遅くて、最後までゆっくりご飯を食べています」ということも発見したそうだ。原監督も「腸内環境を整えることで“幸せホルモン”のセロトニンが増えるという話しもあると思うんですけど、栄養素とか化学的な根拠も大事だけど、楽しむ、会話をすることを心がけている」と話す。

食事とともに睡眠も重要視しており、睡眠の質を高めるため、食事は20時までには終わらせるようにしている。そうした行き届いた食事と生活リズムもあり、神林は寮に入ってから一度も体調を崩したことはないという。これから始まる夏合宿に向け、みんなで楽しく食べて免疫力も高め、戦える体を作っていく。

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