陸上・駅伝

大東大・吉村玲美 セイコーGGP3000mSC優勝も「悔しい」、駅伝も飛躍の年に

思い描いたレース展開をつくれず、吉村にとっては悔いが残るレースとなった(写真提供:フォート・キシモト/日本陸上競技連盟)

セイコーゴールデングランプリ陸上2020東京

8月23日@東京・国立競技場
女子3000mSC 決勝
1位 吉村玲美(大東文化大学) 9分54秒50
2位 石澤ゆかり(エディオン) 9分55秒98(シーズンベスト)
3位 秋山祐妃(大東文化大学) 9分58秒31(自己ベスト)

8月23日に開催されたセイコーゴールデングランプリ陸上2020東京の女子3000m障害(SC)で、吉村玲美(大東文化大2年、白鵬女子)は自己記録(9分49秒30)を破っての47秒切りを狙っていた。しかし結果は9分54秒50。優勝したにも関わらず、「目標をまったく達成できなかったので悔しい」と口にした。

ハードル技術に課題を残し

吉村の今シーズンの初レースは、7月8日にあったホクレンディスタンスチャレンジ深川大会女子3000mSCだった。新型コロナウイルスの影響で練習ができなくなり、トラックでの練習を再開したのがその約1週間前。それまではロードで個人練習を積んでいたものの、ハードル練習を十分にできないままレースに臨むことになった。9分53秒50で自己記録に4秒程度届かなかったが、「1戦目としてはいい刺激になった」と振り返る。

課題としていたハードルの技術向上に取り組み、セイコーゴールデングランプリに臨んだ。前述の通り9分47秒切りを狙っていたこともあり、自分でレースを作ると考えていた。しかし石澤ゆかり(エディオン)を抜いて首位に立つも、ハードルで減速してしまい、また石澤に抜かされるというレース展開。それでもラスト一周で切り替えてからは石澤を引き離し、そのままゴール。3位には先輩の秋山祐妃(大東文化大4年、熊本信愛女学院)が続き、自己ベストとなる9分58秒31をマーク。ゴール後、ふたりは握手を交わし、笑顔でトラックを後にした。

目指すは日本インカレで学生新、杜の都駅伝で初優勝

引き続きハードルの技術向上に取り組み、9月11~13日に予定されている日本インカレでは「学生記録(9分44秒22)は最低限出さないといけない」と意気込む。延期された東京オリンピックに関わってくる日本選手権では、「東京オリンピックの参加標準記録(9分30秒)を破っての優勝じゃないと意味がない」と力を込める。

その一方で駅伝に対する思いも強い。9月に予定されていた関東大学女子駅伝はすでに中止が決まっているため、チームは10月25日開催予定の全日本大学女子駅伝(杜の都駅伝)に向けて動き始めている。

来年の東京オリンピックに向けて3000mSCと向き合い、同時に駅伝でもチームを勝たせる走りを目指す(撮影:朝日新聞社)

昨年の杜の都駅伝で、大東大は3年連続の2位で初優勝を逃した。当時ルーキーだった吉村は1区を任されたが、約1カ月前にあった世界陸上(ドーハ)で駅伝にピークに合わせられず、区間5位に終わった。「日本インカレに出られない選手は駅伝に向けて走り込んでいるので、今年こそはずっとできなかった優勝をしたい。去年は悔しい思い出しか残っていないんですけど、今年は自分ができる走りをしたいです」

大学1年目で日の丸のユニフォームを初めて着た。2年目の今年は個人としてもチームとしても、さらなる飛躍を誓う。

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