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駒澤大学・若林楽人主将「4年生の姿を見てほしい」 東都大学野球

「秋は前だけを見て戦う」と駒澤大学の若林楽人主将(撮影・小川誠志)

東都大学野球秋季リーグ戦が9月22日に開幕します。1年ぶりの戦いに挑む各校主将に意気込みを聞いてきましたが、最後は駒澤大学の若林楽人(がくと)主将(4年、駒大苫小牧)です。

19年、まさかの連続最下位

「秋は4年生の姿を見てほしいです。苦しさ、悔しさを経験してきた4年生が、優勝したいという強い気持ちでチームを引っ張ってきました。練習には4年生が一番早くグラウンドに出ていますし、練習中も高い意識をもって取り組んでいます。用具の出し入れなどにも4年生が率先して動くようにしてきました」と若林は4年生の結束力の強さに自信を持つ。

過去27度のリーグ優勝、11度の大学日本一(大学選手権6度優勝、明治神宮大会5度優勝)を誇る駒澤大だが、昨年は春秋連続で最下位と苦しみ、入れ替え戦に勝って1部残留を決めた。

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今年の4年生が2年生だった2018年秋、駒澤大は全日程を終え勝ち点、勝率で立正大と並んだが、プレーオフに敗れ優勝を逃している。緒方理貢(4年、京都外大西)は1年秋から、若林は2年春からレギュラーとして試合に出場しており、優勝を目前で逃した悔しさも味わっている。

スローガンは「やり返す」

竹本祐瑛(4年、八戸西)、福山優希(2年、八戸学院光星)の両右腕が投手陣の二本柱として期待を背負う。野手陣も若林、緒方、前田研輝(4年、広島工)、新田旬希(3年、呉)、鵜飼航丞(3年、中京大中京)、林琢真(2年、東邦)らリーグ戦経験豊富なメンバーが顔を並べる。今春は「やり返す」というスローガンのもと、チームはリベンジに燃えていた。

「春のオープン戦は、投手も野手も調子がよくて、手応えをつかんでいました。リーグ戦に入るのを楽しみにしていたんです」と若林は悔しそうに言う。緊急事態宣言により活動停止となり、4月上旬、部員は一旦解散し実家へ帰省することになった。若林も北海道・白老町の実家で自主練習を続けた。

「大倉(孝一)監督からは、野球部員である前に社会の一員として、今のこういう状況を理解し行動を取らなければいけない、ということを言われました。今やらなければいけないことを部員みんなに徹底し、限られた環境の中でやれることをやっていこうと確認して一旦解散しました」

自主練習期間中、ボールを使っての練習はほとんどできなかったが、若林は「もっと身体の強さを上げること」をテーマに自重での筋力トレーニング、ランニング、素振りなどに取り組んだ。

「自主練習の期間は、身体づくりや栄養に関する本も読んで勉強しました。春のリーグ戦がなくなって目標を失ってしまいましたが、今しかできないことをやろうと、気持ちを切り替えてその状況をプラスに考えるようにしました」
5月末には再び合宿所へ集合した。時間制限・人数制限の中、練習も再開。7月になってようやく全体練習もできるようになり、8月1日のJR東日本とのオープン戦から対外試合も再開された。

俊足強打でチームを引っ張る若林主将(撮影・佐伯航平)

若林はこの秋、1番を打つことになる。50m走6秒を切る俊足、一発放り込める長打力が魅力の外野手としてプロ野球のスカウトからも注目を浴びている。機動力を重視する駒大野球の中で、自身の出来が勝敗のカギを握ることになるだろう。

「トレーニングの成果が出て、走るのも速くなった実感があります。走り方、フォームも見直しましたし、オープン戦では盗塁に関して細かいところまで考えて取り組みました。初回からチームに勢いをつけたいです」と意気込む。

「オープン戦の初戦からすでに全員、スイッチは入っています。投手陣も野手陣も、開幕に合わせて、なにがなんでも調子を上げていく。秋は前だけを見て戦っていきたいです」
目標である大学日本一へ向け、すでに全員臨戦態勢に入っている。

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