野球

東洋大学・山崎基輝主将 「合言葉は『For The Team』」 22日開幕東都

「自己満足で野球はやらない」と東洋大学の山崎基輝主将(東洋大野球部提供)

東都大学野球秋季1部リーグ戦が9月22日に開幕します。2試合総当たりの勝利数の争いになった秋に挑む各校の主将に意気込みを聞きました。5校目は、東洋大学の山崎基輝主将(4年、愛工大名電)です。

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8月2日、9カ月ぶりの対外試合となった立教大学とのオープン戦の試合前、集合した部員に対し山崎は言った。

「チームが勝つために、みんながまとまって戦おう。もしバッティングで凡退したら、守備で貢献すればいい。守備でエラーしたならバッティングで貢献すればいい。誰かが打てなかったら、誰かがカバーする。投手が点を取られたら、野手が点を取り返す。『For The Team』を合言葉に、チームのために戦おう」

夏のオープン戦では、毎試合この『For The Team』を試合前に言い合い、ゲームに臨んだ。

「チームの勝利のために戦うというのが本当に大事だと思うんです。ベストナインを獲りたいとか首位打者を獲りたいとか、それぞれ目標はあると思うんです。でもそればっかりを求めて、自己満足で野球をやっちゃダメ。チームのために戦って、チームの勝利に貢献することによって、あとから結果がついてくるものだと思います」と山崎は説明する。

消えた春4連覇

2017、18、19年と東洋大は春のリーグ戦を3連覇している。今春の目標は当然春4連覇だった。ところが、大学の判断により春はすべてのオープン戦が中止となった。部員は紅白戦をこなすことで実戦感覚を失わないよう努めたが、緊急事態宣言下、川越キャンパス内のグラウンドが使用できなくなり、4月上旬、ひとまず部員は全員実家へ帰省することになった。山崎も福井の実家に戻り、中学時代に所属していたボーイズの練習に参加し汗を流していた。しかし、状況は好転せず、春のリーグ戦の中止が伝えられた。

「春のリーグ戦、やれることを信じて自主練習をしていましたから、中止が伝えられたときはなかなか受け入れられなかったです。『そんなこと、あるの?』って。みんな同じ気持ちだったと思います」

再び合宿所に集合したのは6月下旬。合宿所に戻ってからも2週間ほどグラウンドでの練習は許されなかった。7月上旬から徐々にグラウンドでの練習を再開し、8月2日からようやく対外試合ができるようになった。

佐藤先輩の背中追う

秋の目標はもちろんリーグ優勝、そして明治神宮大会で日本一を獲ることだ。昨年は春、勝ち点5の完全優勝を達成したが、秋は5位と苦しんだ。昨年、春秋計9勝を挙げた大学球界屈指の右腕・村上頌樹(4年、智辯学園)が投手陣の軸になる。山崎は主将、正捕手としてチームを引っ張り、打線でも中軸を打つことが予想される。昨年の主将・佐藤都志也(現・千葉ロッテマリーンズ)も正捕手で4番を打った。ドラフト2位指名を受けプロ入りした先輩と比較されるプレッシャーにも耐えなければならない。

千葉ロッテ入りした佐藤前主将に追いつけるか(撮影・佐伯航平)

「もちろん佐藤さんに追いつけるように頑張ります。ただ、全部まねをしようとして自分を見失ってはいけないと思うんです。自分らしく、自分のカラーも出しながらやれればいいかなと。僕が見てきた東洋のキャプテンは、飯田(晴海=現・日本製鉄鹿島)さん、中川(圭太=現・オリックス・バファローズ)さん、佐藤さん。3人とも、『ここをなんとか抑えてほしい』『ここで1本欲しい』というところでその期待に応えられる人、それが東洋のキャプテンでした。自分もそういう、チームを勝ちに導くことができるキャプテンに、少しでも近づけるようにと思っています」

『For The Team』の姿勢をチームに呼びかけ、秋のリーグ戦に挑む。

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