大学陸上・駅伝

特集:第52回全日本大学駅伝

全日本の北信越代表は5年ぶりの信州大学、コロナ禍の相手なきレース制す

長野会場は信州大学だけの参加、他会場とのタイムレースを制した(撮影・ともに朝日新聞社)

信州大学が異例の3会場同時開催となった全日本大学駅伝北信越選考会を勝ち抜き、5年ぶりの出場を果たした。もちろん、全員が初出場になる。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各校の移動を控えるため、選考会は長野、新潟、富山の3会場に5大学が分散。各大学8~10人が10000mを走り、上位8人の合計タイムで競った。長野会場の出場は信州大のみ。姿の見えないライバルとの戦いになった。

慣れた競技場、練習感覚で自力出す

ただし、メリットもあった。会場の長野市営陸上競技場は、多くの選手にとって慣れ親しんだ場所。エースの坪井響己(院1、狭山ヶ丘)は「練習でもよく使っているので、やりやすかった。試合という感覚は少なく、いつも通りの力を出せたと思う」。集団を二つに分け、先頭は坪井と水野裕司(4年、中村)が4000mごとに引っ張り、タイムを稼ぐ作戦。他会場の経過は会場でアナウンスされ、水野は「それを聞きながら冷静に走れた」と振り返った。選考会では終盤に抜け出した坪井が30分33秒28の学内トップでゴールし、水野が30分50秒35の2位。この2人がエース格になる。

信州大を引っ張るのはエースの坪井響己

坪井は埼玉・狭山ケ丘高から1浪して入学。「今は日本でここだけの繊維学部で学びたかった」のが理由で、「入学前、過去に全日本に出たことがあるのも知らなかった」という。高校時代は貧血に悩み5000m16分14秒。大学では勉強に加え、スポーツショップでのアルバイトもしながら、10000mの29分55秒23の信州大学記録を打ち立てるまでになった。昨年の出雲駅伝では北信越学連選抜のメンバーに名を連ねたが控えに回った。今回が初の大舞台だ。

今年、大学院に進み、自粛期間中も週末は車で30分の菅平高原(標高約1200m)で高地トレーニングを続けた。まだ伸びている実感があり、この何カ月かで「陸上に多くの時間を費やせる実業団に行きたい」と思うようになった。「ほとんど練習は一人でやってきました。時間も関東の選手に比べれば短い。その分、伸び代はあると思うで、僕の走りを見てほしい」と語る。

地元で快走みせたい水野裕司

坪井に次ぐ存在の水野は実業団入りを目指し、今季にかけている。今夏には実業団の夏合宿にも参加。愛知・中村高から1浪して教育学部に入学し、2年ごろから上のレベルで競技を続けたいと考えてきた。全日本は「ずっとテレビで見てきたあこがれの大会」で、地元の愛知県を走る1区(9.5km)を希望。好走すれば実業団入りへのアピールにもなるはずだ。

国立大で部員も決して多くはない。例年は大学の教室で部の説明会を開き、新入部員を募ってきたが、コロナ禍で中止に。4年生が中心となり、部のSNSを使うなどして勧誘活動をしてきた。6月中旬に練習が再開されても、キャンパスが5カ所に分かれ、それぞれの移動は控えたため、全体でそろうのは遅かった。それを補うため、各選手がブログで練習内容を報告し、共有したという。

オンラインで林大輔主将が檄

高田遼主務(3年、千葉)は「選考会で部内3位の松林直亮(1年、西宮)とやっと会えたのが7月下旬だった」。練習内容はチェックしており、力があることは把握していたという。また、オンラインで週1回のミーティングを開き、林大輔主将(3年、奈良)が6月に「そろそろ本腰を入れていこう!」とチームを鼓舞し、雰囲気が引き締まったという。

5年前は25チーム中23位。それ以来の出場となる喜びをぶつけてほしい。

第52回全日本大学駅伝対校選手権大会北信越地区選考会

9月19日@長野市営陸上競技場、新潟医療福祉大グラウンド、富山県五福陸上競技場
(10000mの上位8人合計タイム)
1位 信州大 4時間11分45秒99
2位 新潟医療福祉大 4時間14分32秒55
3位 新潟大 4時間14分46秒39
4位 富山大 4時間27分55秒47
5位 金沢大 4時間47分26秒29

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