乃木坂46・佐藤楓さん(下)「助け合ってチームで戦えるのが駅伝の良さ」
駅伝好きの乃木坂46・佐藤楓さん(22)のインタビュー。後編では佐藤さんが駅伝を見るときのポイント、そしてあと20日足らずと迫った箱根駅伝で注目するチームについて聞きました。
「チームのため」に走る姿を見られるのが駅伝の良さ
4years.編集部(以下、――)佐藤さんがいままで駅伝を見てきた中で、一番印象に残っているシーンがあれば教えてください。
佐藤楓さん(以下、佐藤):青学の田村和希選手(現・住友電工)と下田裕太選手(現・GMOアスリーツ)が7区と8区で襷渡しをした93回箱根駅伝(2017年)ですね。田村選手が脱水症状になってしまって、同学年で切磋琢磨してきた下田選手になんとか襷(たすき)をつないで。結局下田選手がそのあとすごくいい走りをして、青学の優勝を決定づけて、感動しました。誰かがつらい時は助け合ってカバーし合えたり、「駅伝の良さ」っていうのが現れてた試合だと思いました。
自分のためだけじゃない、誰かのため、チームのために走るのが駅伝だと思うので、毎回見るたびに「好きだな、駅伝!」って思っちゃいます。
――そういう思いが見られるのも、駅伝の良さですよね。ほかにレースを見る時は、どういうポイントに着目してますか?
佐藤:えーどうだろう……そうですね、けっこう秒数を図ったりしてます。定点ポイントじゃない時に、ちょっとした目印とかで見て。
――それは時計を使って測るんですか?
佐藤:いや、自分で数えるんです。そのおかげで正確に秒数を数えられるっていう、変な特技が身につきました(笑)。あとは、データを見るのも好きですね。記録会を追ったり、今年は配信も多かったのでそれを見たり。あとはいとこが出てるのもあって去年までは世田谷ハーフマラソンを見に行ってて、11月の学連の記録会(10000m記録挑戦競技会)にも行ったりしてました。
――世田谷ハーフって、なかなか通な選択ですよね。箱根駅伝も実際に見に行かれましたか?
佐藤:去年初めて行けて、今年は2、3、4区と9区を見に行きました。やっぱり見に行くと、現地とテレビって違うなって感じますね。最初はスピード感にびっくりしました。一瞬なんだけどその緊張感だったり、前を追おうとする姿だったり息遣いをダイレクトに感じられて。あとは監督車を見るのも好きです。選手が行ったあとに険しい顔してるな、とか見たりしています。
――9区は神林選手が走りましたね。
佐藤:はい。家族だけじゃなくて、中学校の部活の先生とか応援団がいっぱい来てました。みんなで「勇太! 勇太!」ってコールしてたら気づいてくれて、手を上げてくれました。嬉しかったですね! 今まで見た姿と違って「まさかこんなに大きくなるなんて……」って感動しました(笑)。来年は無観客で行けないと思うので、行けてよかったなって思います。
やっぱり、あの場でしか味わえないものがあるので1回は行っておくべきだなって思いますよね、箱根駅伝は。1回行くとまた行きたくなっちゃってずっと行っちゃうんですけど(笑)。いずれ山(5区、6区)とかにも行ってみたいなって思っています。
注目はずばり、明治大・東洋大!
――箱根駅伝まであと1カ月足らずとなりましたが、注目しているチームを教えてください。
佐藤:やっぱり引き続き明治かな……。あと、東洋大も注目しています。去年強かった4年生が抜けて、今年は駅伝経験者も欠けてたのに、全日本では先頭争いもしてましたよね。全日本では6位でしたけど、今回出られなかった選手が復活してくれば、前回(10位)よりはいいところに行けるんじゃないかなって思います。結局駅伝って、1・2年生が強くても最終学年の4年生が強さを見せないとなかなか上位に食い込めなかったりするので、上級生には頑張ってほしいですね。
――西山選手(和弥、4年、東農大二)には期待したいですよね。
佐藤:本当に、ラストイヤーに1・2年生の時みたいな走りを見たいです!! あとは、宮下選手(隼人、4年、富士河口湖)にも期待してます。今年の5区の走りには感動しました。次の日の復路に向けて厳しい状況だったのを、1秒を削り出す走りで順位を押し上げて、かっこよかったです。毎回レース後にお辞儀をしたり、礼儀正しいのも素敵だなと思っていて、応援したい選手ですね。
――明治はどうでしょう。
佐藤:1区の児玉真輝選手(1年、鎌倉学園)がいいスタートを切れたから、全日本でも流れに乗れたのかなって思います。今までは小袖選手(英人、4年、八戸学院光星)が1区を担当してましたけど、今年は彼を別の区間に回せそうなのも強みだなと。今年箱根では6位でしたけど、走ったメンバーが8人も残ってる。箱根のコースを知る選手が多いので、次も行けるんじゃないかなって思います。優勝も全然目指せると思うし、出雲駅伝があったら優勝してたんじゃないかなって思うぐらいですよね。
――たしかに、今年はもし出雲駅伝があったら例年にない混戦ぶりだったかもしれないですね。東洋、明治の他に気になる選手はいたりしますか?
佐藤:中央大学の吉居大和選手(1年、仙台育英)の駅伝での走りを早く見たいです。全日本でも見たかったな~! って思います。あとは、次の箱根に中央学院大学が出られないのが残念です。6区を走った武川流以名選手(ぶかわ・るいな、2年、島田樟誠)の走りをまた見たかったです。大学から本格的に陸上を始めて、1年足らずで6区をあそこまで走れる人ってなかなかいないと思うので……。まだ2年生だからこの先を楽しみに待ちたいです。
「推しがいのあるアイドル」に、スポーツのお仕事もがんばります!
――これからの佐藤さんご自身の目標を聞かせてください。
佐藤:スポーツのお仕事では、マラソンに挑戦する企画をやってみたいなって考えてます。フルかな、最初はハーフかもしれないですけど……。体を動かすのが大好きなので、そういうお仕事も増えたらいいなと思います。あとはもっともっと駅伝を盛り上げたいです。自分がきっかけでファンの方が駅伝を見始めてくれたり、自分の好きなものを共有できるのが嬉しくて。もっともっと取り込んでいきたいです(笑)。
それから、アイドルとしては「推しがいのあるアイドル」になりたいなって思います。ファンの方がいっぱい喜ぶ顔を見たいので、駅伝に限らずいろんな場所で姿を見せられたらいいなって思ってます。最終的に、「推してた時間は無駄じゃなかった」って思ってほしいし、ファンの方の記憶に残るアイドルになっていきたいですね。