サッカー

帝京平成大学が初優勝、静岡産業大学との決勝初進出対決を制す 全日本大学女子選手権

ゴール前に攻め込む帝京平成大のFW今田紗良(右、撮影・全て堤之剛)

第29回全日本大学女子選手権大会

1月6日@東京・味の素フィールド西が丘
▽決勝
帝京平成大(関東4/千葉) 1-0(前半0-0) 静岡産業大(東海2/静岡)
【今大会の帝京平成大】
▽2回戦       1-0吉備国際大(中国2/岡山)
▽準々決勝 1-0東洋大(関東3/群馬)
▽準決勝      2-0日本体育大(関東6/神奈川)

第29回全日本大学女子サッカー選手権大会(日本サッカー協会、全日本大学女子サッカー連盟、朝日新聞社主催)は1月6日、東京・味の素フィールド西が丘で決勝があり、ともに初の決勝となった帝京平成大学と静岡産業大学が対戦。帝京平成大が1-0で勝って初優勝を飾った。後半27分にFKの流れから、FW今田紗良(3年、藤枝順心)が決勝点を挙げ、MVPに輝いた。

DF石田主将を中心に4試合無失点

帝京平成大は大会4試合を通じてゴールを許さず、頂点に立った。2011年女子ワールドカップを制した日本代表DFの矢野喬子監督が指揮して5季目。「失点しなければ負けない」という指揮官の信条の下、守備を鍛えてきた。矢野監督は、相手に「自由を与えない」ことが最優先だと強調。ただ相手に寄って近づくだけではだめで、自由を奪ってボールを奪取するという意識改革をした。

攻撃を仕掛ける帝京平成大のDF佐久間未稀(右)と静岡産大のMF柿元渚

決勝でも守備が生きた。元日本代表でなでしこリーグの岡山湯郷や長野を指導した本田美登里監督が率いる静岡産大は「止める、蹴る」に注力したサッカーを標榜。攻める姿勢を大切にして勝ち上がってきたが、封じた。

特に光ったのは、帝京平成大の主将でセンターバックの石田菜々海(4年、常葉大橘)。互いになかなかゴールを奪えない展開だったが、「落ち着いていた」。静岡産大のスピードある選手に判断良く対応し、カバーリングの良さも見せて相手のチャンスをつぶした。無失点での優勝に石田菜は「すごいうれしい」と声を弾ませた。

FW今田紗良が決勝ゴール

3連覇を狙った関東大学女子リーグでは優勝した早稲田大学や筑波大学に敗れるなど4位に終わったが、立て直して今大会の準決勝では選手権2連覇中だった日本体育大学に快勝した。MVPの今田は初戦の2回戦から決勝まで4試合連続となる計4得点を挙げた。

ゴール前に上がる帝京平成大の今田

今田が藤枝順心高3年生の時に、シュートを決めた後にガッツポーズしてぴょんぴょんはねている姿を見て、「久々に面白い子いるなと思った」と矢野監督が帝京平成大に誘った。矢野監督は「いまは自分のことを表現できる子が多くない。彼女は元気で自分を表現でき、感情を出せる」と評価する。今田は「出場できない選手のためにやらなきゃいけないと常に思っている。絶対優勝しようと思っていた」と振り返った。

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