明治大学から大量12選手がＪリーグに内定、特例の全国大会で有終の美目指す

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大学サッカー界を明治大学が席巻している。コロナ禍で変則日程となった関東大学リーグで2年連続6度目の優勝を果たしたチームから12人のJリーグ内定選手が生まれた。セカンドチームは12月27日まで開かれたアットホームカップ2020インディペンデンスリーグ全日本大学フェスティバルで優勝。刺激し合いながら技を磨いてきた4年生は、新春に開かれる特例の全国大会で有終の美を飾り、次の舞台で活躍することを誓った。

最強のプレッシャーはね返す

12月22日のJリーグ加入内定選手の合同会見には1チームの人数より多い12選手がずらりと並んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今季の関東リーグは開幕が遅れ、前期は流通経済大学の施設を中心に試合を消化した。明大の栗田大輔監督は「流通経済大学がなければ今年のリーグ戦はなかった。安全対策、協会、学連と連携をとり、リーグを行えたからこそ、12名の選手たちも見て頂く機会があり、評価頂けたと思っている」とまず感謝した。チームは昨季、関東リーグをはじめ、総理大臣杯、全日本大学選手権（インカレ）を含む史上初の5冠を獲得した。栗田監督は「昨年との比較をプレッシャーに感じながら進んできた。想定外のコロナの状況下、『日頃の積み重ねが絶対出る、必ず総合力が問われる』と鼓舞してきたが、昨年とはまた違った価値を得られた」と振り返った。

ヴァンフォーレ甲府に内定したDF須貝英大主将は「昨年のインカレが終わった円陣の時、佐藤亮さん（主将、ギラヴァンツ北九州）が『今年のような結果を出すのは不可能だと思うけど』と言ったのが悔しくて。絶対に越えてやろう、というのがあった。勝っても満足せず、もっと上に行こうという意識でやっていた。明治の歴史上、（リーグ戦）2連覇はなかったので新たな1ページを築けたのは自分としてもチームとしても大きかった」と胸を張った。リーグ戦で大けがを負い、全国大会の出場は厳しいという。

2020年の明治安田生命J1リーグは、筑波大学から川崎フロンターレに加入したMF三笘薫を筆頭に、明大勢もFC東京のMF安部柊斗やサガン鳥栖のDF森下龍矢ら大卒新人の活躍が目立った。

栗田監督は「日本のサッカー界の中で大学の位置づけが非常に重要な場所に入ってきた」とみる。「大きなU23（23歳以下）という傘の中で、しっかりと（選手が）評価されるようになってきた。各大学の指導者には元プロ選手や素晴らしい指導者も多く、育成という日本独自の大学4年間の重要性が改めて評価されてきた結果と思う」と語った。

1月6日から#atarimaeni CUP

コロナ禍で大学サッカーも夏と冬の全国大会が中止になった。1月6日から全国32大学が参加して特例の「#atarimaeni CUP」（あたりまえにカップ）が開かれる。昨年のインカレでMVPを獲得したDF蓮川壮大は「去年は4年生がいて活躍できた。まずはチームが優勝することから考えてやっていきたい。いろんな方に支えられて今の立場があるので、恩返しして終わりたい」。育ててもらったFC東京に内定し、「明治に入ったからこそ東京がある。他の大学だったら東京には戻れなかった。大学生は即戦力と思っていて、来年、再来年に、チームに貢献できないようだと厳しい」と先を見据えた。

高校生にエール

AC長野パルセイロに内定したMF住永翔は4季前、青森山田高の主将として第95回全国高校選手権で青森勢に初優勝をもたらした。「この1年、大会が中止になるなど様々な影響があったと思うが、選手権が高校生のあこがれというのは何一つ変わらない。自分たちのサッカーを楽しみながらしてほしい。連戦が続き、いろんなことが起きるが、一番大事なのは、自分たちのサッカーを最後まで貫けるかどうか」と31日から始まる選手権に臨む高校生へエールを送った。

ラグビーと同時Vを

東福岡高出身のFW佐藤凌我は東京ヴェルディに進む。同じように全国制覇を狙うラグビー部の箸本龍雅主将とは高校1年の時に同じクラスだった。東福岡高もサッカー、ラグビーとも全国レベルで明大の八幡山グラウンドのように隣同士で練習していた。「たまに会うときは近況報告しています。お互い高めながら、有終の美を飾れれば」と同時優勝を見据えていた。