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特集:東京オリンピック・パラリンピック

世界2位のポーランドに食い下がった 石川祐希「結果をものにする」

ポーランド戦で、相手のサーブに反応する石川祐希=2021年7月30日、有明アリーナ、長島一浩撮影
ポーランド戦で、相手のサーブに反応する石川祐希=2021年7月30日、有明アリーナ、長島一浩撮影

(30日、バレーボール男子1次リーグA組 日本0ー3ポーランド)

中大1年のときに突然訪れた「世界」の入り口 石川祐希2

 負けても石川祐希(25)の表情は明るかった。

 東京オリンピック(五輪)バレーボール男子で、世界ランク11位の日本が1次リーグ2勝1敗で迎えた第4戦の相手は、世界ランク2位のポーランド。セットカウント0―3は見かけ上では完敗だが、「いいバレーは展開できたかなと思います」と振り返った。

 日本は、第3セットに2連続ブロックポイントなどで粘りをみせた。石川が悔やんだのが、自らのスパイクを立て続けにブロックされた最終盤のプレーだった。

 この日、チームトップタイ13本のアタックを決めたエースを当然ポーランドは警戒していた。3枚ブロック。それをかいくぐるために「ボールの通過点を高くしようと打ったんですけど、相手選手が思っていたより高かった。もう少し気を張って打つべきだったと思います」。

 平均身長198センチの高さを攻略しきれなかった。幕切れとなった最後のスパイクも、難しい体勢でクロスをあきらめてストレートに打ち、止められた。「そこの判断がまだ甘かった」と言った。

 一方で、「トップ(レベル)にいけばいくほど、最後の1本を止めるか、止められないか。ミスするか、しないかの差で結果が変わってくる。そこで取り切れれば、どんどん成長が見えてくると思う」とも語った。

 中垣内祐一監督は「サーブとブロックのプレッシャーは相当あったが、最後以外は踏ん張れた。試合に入る集中力も(1―3で敗れた7月28日の)イタリア戦とは全然違った」と振り返り、収穫を強調した。

 主将でもある石川によると、チームは元々、8月1日の1次リーグ最終戦、世界ランク12位のイラン戦が山場とみていたという。勝てばA組の6チーム中4位以上が確定し、8強進出が決まる。

 石川は「『負けるかも』って思っている選手は誰ひとりいないと思います。ベストパフォーマンスを出して、結果をものにする準備を数カ月間やってきた」と力を込めた。

 日本男子の五輪は2008年北京大会以来で、開催国枠での出場。7月24日のベネズエラ戦で1992年バルセロナ大会以来の白星を挙げた。

(金子智彦)

=朝日新聞デジタル2021年07月30日掲載

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