ゴール前で後ろへ「来い!」の合図 難民だった2人、表彰台で並んだ
■マラソン男子
ゴールが見える最後の直線に、2位を争う3人が接戦でなだれ込んでくる。チェロノ(ケニア)、ナゲーエ(オランダ)、アブディ(ベルギー)の順。ナゲーエがスパートで2番手に浮上、そのまま前だけ見てゴールに突進するのかと思うと、違った。必死で走りながらも後ろを振り向き、右手でアブディに「来い! 来い!」というしぐさを見せる。吸い込まれるようにアブディは3位に上がり、チェロノを抜いた2人がそれぞれ銀メダル、銅メダルに輝いた。
なぜ、レースの最終盤でそんな不思議なしぐさを見せたのか。
(酒瀬川亮介)=朝日新聞デジタル2021年08月08日掲載