陸上・駅伝

特集:いざ、東京オリンピック・パラリンピック

40代で成長し、つかんだ銀メダル 「原動力」への感謝

男子1500メートル(視覚障害T11)の表彰式で、銀メダルを手にする和田伸也(左)とガイドランナーの長谷部匠=2021年8月31日、国立競技場、井手さゆり撮影
男子1500メートル(視覚障害T11)の表彰式で、銀メダルを手にする和田伸也(左)とガイドランナーの長谷部匠=2021年8月31日、国立競技場、井手さゆり撮影

 東京パラリンピック男子1500メートル(視覚障害T11)の和田伸也は充実した表情で振り返った。「乳酸がたまって動けないぐらい出し切りました」。最後までもつれた2位争いを制し、「(自分が)2位と表示されたことを知ってうれしかった」。自身初の銀メダル。死力を尽くした44歳はゴール後しばらく立ち上がることができなかった。

元箱根走者・トマト農家と共に 陸上5千M、銀の唐沢

 大阪府出身。高校2年で網膜色素変性症が進行し、大学在学中に失明した。28歳で競技を始め、2012年ロンドン大会の5000メートルで銅メダルに輝いたが、リオデジャネイロ大会はアフリカ勢に圧倒された。

 今大会は5000メートルで銅メダルを手にし、この日はアジア記録を樹立。40代での成長を後押ししたのは練習環境の変化だ。以前は日中働いて、練習は早朝か夜に行う生活だった。3年前から所属する長瀬産業で競技に専念できるようになり、治療や練習に時間を割けるようになった。

 視覚障害者は1人では走れない。今大会でのメダルも、ここまで支えてくれた多くの市民ランナーのお陰だと強調する。「朝から夜までいろんな人がガイドランナーをしてくれた。それが自分の原動力になった」

 残るは1種目。唯一手にしていない金メダルを目指し、5日朝のマラソンに出場する。

(松本龍三郎)

=朝日新聞デジタル2021年08月31日掲載

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