陸上・駅伝

連載:M高史の陸上まるかじり

いよいよ駅伝シーズン開幕! 駒澤大の駅伝戦士たちにM高史が聞きました!

写真左から佃康平選手、山野力選手、花尾恭輔選手、鈴木芽吹選手。現状打破ポーズで!(写真提供:駒澤大学陸上競技部)

今回の「M高史の陸上まるかじり」は特別編! 駒澤大が主催し、さまざまな方々にエールの襷(たすき)をつなぐ「駒大ZenFesエール駅伝」。その一環として、駒澤大学陸上競技部OBでもある私、M高史が選手の皆さんにインタビューした時の様子をお届けします。

駅伝シーズン開幕を直前に控え、佃康平選手(4年、市立船橋)、山野力選手(3年、宇部鴻城)、鈴木芽吹選手(2年、佐久長聖)、花尾恭輔選手(2年、鎮西学院)の4選手にオンライン取材にてお話をうかがいました。

陸上を始めたきっかけは?

M:まずは、陸上を始めたきっかけについて教えてください!

佃:中学の頃にサッカー部で、サッカーも走り込みが重要でした。中学の駅伝の監督からお誘いを受け、そこからが陸上のスタートになりました!

M:元々、サッカー少年だったんですね! じゃあ、駒大のグラウンドでサッカー部のボールが飛んできたら、反応しちゃうんじゃないですか?

佃:はい!もう、蹴り飛ばしたくなりますね(笑)。

山野:僕は小学校の時に、(当時)東洋大の柏原(竜二)さんが(箱根駅伝)5区山上りでゴボウ抜きをされているのを見て、かっこいいなと思って、それで陸上を始めました!

M:柏原さんの山上りかっこよかったですよね! ちなみに、山野選手も上りは得意なんですか?

山野:いえ、自分は全然得意じゃないです(笑)。

鈴木:箱根駅伝は小さい頃から現地観戦していたので、憧れがありました。熱海に住んでいたので、小田原に行ってよく観ていました!

M:たしかに、「熱海の貴公子」とか呼ばれてましたもんね!

鈴木:それはちょっと恥ずかしいので(笑)。

花尾:元々、小学校の時にバスケをしていましたが、(陸上の)ロードレースであと一歩で入賞を逃して、悔しかったので始めました!

陸上を始めたきっかけを笑顔で話す花尾恭輔選手(写真提供:ZenFes駒大エール駅伝)

M:バスケは今でも得意なんですか?

花尾:いや、もう多分無理ですね(笑)。

陸上を始めたきっかけはそれぞれ皆さん違いましたが、やはり駅伝の存在というのは大きいみたいですね!

モチベーションの保ち方

M:コロナ禍で大会中止や延期、活動の制限などもあった中、どのようにモチベーションを保っていましたか?

佃:チームとしては、昨年度(全日本と箱根で)優勝できて、今年は全員で(出雲を含めた)三冠を狙うというのが目標です。三冠を達成するためにはやはりそれ相応の努力が必要になってきます。チームのミーティングの中でも常に三冠を目指す意識を忘れないように声かけをしてきました!

山野:前回の箱根で失敗して、個人では悔しい思いをしたので、来年は絶対チームに貢献して優勝するという目標のために、モチベーションを下げることなく、がんばることができました!

3年生でチームの副将でもある山野力選手はチームに貢献する走りで優勝をモチベーションにしています(写真提供:ZenFes駒大エール駅伝)

M:あらためて、駒大の強さの秘訣ってどう感じていますか?

佃:今はチーム全員が自分の意見を言える環境にあると思います。上級生は、いかに下級生が走りやすい環境を作れるかというのをしっかり考えているので、そういうところを下級生も汲(く)み取ってくれてしっかり走れています。いい関係が築けているのかなと思います!

チーム一丸となって駅伝シーズンに挑んでいく意気込みが伝わってきますね!

大舞台でのメンタルは、どうコントロールする?

M:大舞台でのメンタルの保ち方については、今年の日本選手権10000m3位になった鈴木選手にうかがいたいと思います! 鈴木選手いかがでしょうか?

鈴木:まずは緊張しないように自信をつけて練習をするということが大事だと思います。それでもどうしても緊張してしまうと思うので、大舞台でも失敗することを考えず、「やってやろう!」という気持ちを強く持ちます。そういうところが大舞台でも結果を出すということにつながっていると思います。

日本選手権10000mスタート前の田澤廉選手(左)と鈴木芽吹選手(右)(写真提供:駒澤大学陸上競技部)

M:ちなみに、大八木監督の檄(げき)やアドバイスは力になっていますか?

鈴木:普段、檄を飛ばされることはあんまりないのですが(笑)、アドバイスは色々いただいているので、そういうことを元に練習したり、大会では声が飛んでくるので、キツくてもそこで粘ることができます!

大舞台でも結果を出し続ける鈴木芽吹選手。強靭なメンタルを支えるのは練習による自信からくるものでした(写真提供:ZenFes駒大エール駅伝)

鈴木選手は日本学生ハーフ2位、日本選手権10000m3位、ホクレン・ディスタンスチャレンジでは5000mで駒大記録更新と快進撃が続いていますが、大舞台でも力を発揮するためのメンタルの源はやはり日々の練習にあったんですね!

駒澤大・鈴木芽吹 3大駅伝区間賞は「最低限」、優勝を引き寄せる走りを
日本選手権10000mで3位となった鈴木芽吹選手。写真は日本選手権フィニッシュ後(写真提供:駒澤大学陸上競技部)

選手から見た大八木監督って?

M:僕も学生時代には大八木監督に大変お世話になり、熱いご指導をいただいたのですが、今の選手の皆さんには大八木監督ってどういう風に接してらっしゃるのですか?

佃:昔はだいぶ厳しかったと聞いています(笑)。今は監督から積極的に自分たちの体調、足の調子を気にしてくださって、ちゃんと自分たちのことを考えながら練習を組み立てていただいているのかなと感じますね。

大八木監督の言葉に支えられ、4年間コツコツと力を伸ばしてきた佃康平選手(写真提供:ZenFes駒大エール駅伝)

M:大八木監督から言われて印象的だった言葉はありますか?

佃:ミーティングでよく言われるのですが「努力っていうのはいつ実を結ぶかわからない」。自分の中で意識していて、自分はセンスがある方ではないので、練習を泥臭くやってここまでたどり着いたと思っています。本当にその言葉に支えられて4年間やってこれたと思います。

大八木監督の言葉って心にずっと残るんですよね! 僕も学生時代に教えていただいた「人から喜ばれるような、人から必要とされるような、人に感動を与えるような人間になりなさい」という言葉は今でも心に刻んでいます。

みんな大好き、駒飯(寮の食事)

M:寮の食事といえば、大八木監督の奥様・京子さんが作ってくださいますが、ちなみにこの中で一番よく食べるのはどなたですか?

一同:花尾ですかね!

M:花尾さんが一番好きな駒飯(寮の食事)を教えてください!

花尾:自分はチーズタッカルビ風といって、ピリ辛の鶏肉の上にチーズがのっているのが好きです!

寮で食事を作ってくださる大八木監督の奥様・京子さん。花尾選手おすすめチーズタッカルビ風!(写真提供:駒澤大学陸上競技部)

寮で27年間、食事を作り続けてくださる大八木監督の奥様・京子さんは学生さんにとっても、そして卒業生にとっても感謝してもしきれない存在です。僕も学生時代、駒飯を食べて寮生活をしていました!

今年の関東インカレ2部ハーフマラソンで2位となった花尾選手(写真提供:駒澤大学陸上競技部)

ちなみに、27年前というと、現在の藤田敦史ヘッドコーチが大学1年生の時から! 現役の学生さんたちが生まれる前から作られているわけで……あらためて、奥さん、尊敬です!

選手に食事を作り続けて26年! 駒澤大学陸上部寮母・大八木京子さん

今後の目標は……

佃:チームとしては三冠を狙っています。特に全日本、箱根と距離も長くなっていくので、自分の強みを活(い)かして、そこでしっかり活躍できればと思っています!

山野:前回の箱根駅伝では優勝できたのですが、個人としては悔しい結果に終わったので、今年は箱根駅伝だけと言わず、自分が出場する駅伝すべてで区間賞を獲(と)るような気持ちで、しっかりチームに貢献していきたいと思います!

鈴木:今年のチームの目標である3大駅伝三冠を達成するということ、個人としても競技人生を長く見て、オリンピックや世界選手権といった舞台に立てるように頑張っていきたいと思います!

花尾:昨年度は全日本と箱根と走らせていただいたのですが、自分の走りはチームに迷惑をかけてしまうような走りで、チームのみんなに助けてもらった優勝だったので、今年は自分が活躍して優勝に導けたらいいなと思っています!

M:本日はありがとうございました!皆さんのさらなるご活躍、応援しています!

選手の皆さんは明るくリラックスした雰囲気ながらも、力強く目標を語ってくださいました!(写真提供:ZenFes駒大エール駅伝)

3大駅伝を間近に控えた駒澤大学陸上競技部から佃康平選手、山野力選手、鈴木芽吹選手、花尾恭輔選手にお話をうかがいました! 今回はオンライン取材でしたが、画面越しからも選手の皆さんの意気込み、そして自信が伝わってきました。駅伝シーズンの活躍にも注目ですね!

M高史の陸上まるかじり