野球

DeNAドラ4の法政大・三浦銀二「まっすぐが自分の武器」ベンチ外の経験で得たもの

法政大主将の三浦は横浜DeNAベイスターズから4位指名を受けた(撮影・安藤嘉浩)

10月11日に行われたドラフト会議で、法政大学の主将・三浦銀二(4年、福岡大大濠)が横浜DeNAベイスターズから4位指名を受けた。新型コロナウイルスの集団感染により、ドラフト会議の2日前の9日がリーグ戦初戦となっていた法政大。調整不足の中で臨んだその試合で三浦は4回5失点。直前に悔しい結果に終わっていただけに「とてもホッとしていて、うれしい気持ちでいっぱいです」。指名を受け、三浦はほおを緩ませた。

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悔しさを痛感した昨シーズン

「(4年間を振り返って)山あり谷ありというか、いい時もありましたし、しんどい時もありました」と話すように、ここまで決して平坦な道のりでなかった。1年生の時から開幕投手を務めるなど、2年間で8勝を積み上げたが、3年生ではまさかの未勝利。悔しさを痛感する1年だった。

不振の原因はフォームの乱れからだった。体が崩れると、心も崩れた。「マウンドに立った時に、自分の調子や自分の状態を気にしていた。相手に対して向かっていくことが必要な中で、気持ちとかの面でずれていた部分があった」。防御率こそ悪くはなかったが、直球の威力などが目に見えて低下。秋季リーグ戦終盤には自身初めてのベンチ外を経験した。

自身初のベンチ外を経験し、改めて自分の武器を見つめ直した

しかし、このベンチ外の経験が三浦を復活へと導いた。「離脱して秋はもう入れないことになったので、そこで自分と向き合う時間が多くできました」。自身の武器は何か、もう一度問い直した。「まっすぐが自分の武器なんだな」。高校の時に持ち始めた自身のまっすぐに対するこだわり。2年生の時からぶれ始めていたというそのこだわりを取り戻し、ラストイヤーの復活に向けての一歩目を踏み出した。

エースとして完全復活

迎えた2021年。冬の間にプレートを強く押すようにフォームを修正すると、オープン戦から本来の力を取り戻した。3月5日に行われた後に指名を受けることとなる横浜DeNAとのオープン戦では、4回を投げ、1失点で7奪三振。「まっすぐで空振りやファールがとれた。まっすぐがプロ相手に通用していると感じました」と手応えを口にした。そして臨んだ4月10日の開幕戦。三浦はそのシーズンの王者・慶應義塾大学相手に無安打完投勝利(ノーヒットワンラン)を達成。その後もその試合を含めて3試合連続完投するなど、エースとして活躍。完全復活を果たした。

酸いも甘いも噛み分けた4年間。決して理想通りとはいかなかったが、戦い続けたからこそ、夢であったプロ入りを叶(かな)えることができた。

法政大の主将として、最後まで仲間に背中を見せる

今秋は調整不足も響き、5回を持たずに降板する時があるなど、苦しい投球となった時もあった。しかし、ドラフト会議翌日の早稲田大学1回戦では、9回無失点。同じ横浜DeNAから2位指名を受けた徳山壮磨(4年、大阪桐蔭)との投げ合いに「勝ちたいと思っていました」とこれ以上ない投球を見せ、法政大ファンだけでなく、DeNAファンをも沸かせた。

「開幕からローテーション入り、1軍で投げられるように頑張りたいと思います」と決意を口にした三浦。法政大のエースからハマのエースへ。プロの世界でも自慢のまっすぐでルーキーイヤーからの飛躍を誓う。

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