サッカー

関東王者の流通経済大学からJリーグへ12選手、DF佐々木旭は王者・川崎入り

関東大学サッカーリーグを制した流通経済大学から12選手がJリーグに進む(撮影・全て朝日新聞社)

関東大学サッカーリーグを12季ぶりに制した流通経済大学からJリーガー12選手が誕生した。そのうち広島へ進むFW満田誠主将(広島ユース)ら7選手がJ1のクラブへ挑戦する。1月7日の会見で、中野雄二監督は「コロナウイルスの影響で2度トレーニングができない時期があった。2度目は約1カ月ランニングすらできない状況だったので、リーグ戦優勝、インカレ3位は学生たちがいかに努力して勝ち取ったものなのかと思う。優勝に匹敵する以上の1年間だった。個々が成長してもう一つ上のカテゴリーにこれだけの選手が進めることが非常に喜ばしい」などと話した。

流通経大が12年ぶり関東リーグV 合言葉はあのJ監督へ「恩返し」

川崎入りするDF佐々木旭(埼玉平成)は「あの選手たちの中に入って、練習して試合に出るのが、日本代表に一番近いと思った」。チームのリーグ3連覇とAFCチャンピオンズリーグ制覇に貢献することを誓う。引退した中村憲剛さんが憧れの選手で、「一緒にやりたいと思っていたが、ちょっと遅かった。小学生ぐらいで等々力に試合見に行って、憲剛さんストラップとか買った。ずっと好きでした」。

Jリーグ王者の川崎入りする佐々木旭

中野監督は「日本サッカー界には(代表の)左サイドバックは長友(佑都)選手以降、誰が担えるのかというテーマがある。もしかしたら、今年の活躍次第では急遽、日本代表に招集されるぐらいの能力を持った選手」と大きな期待をかける。

流通経大柏高勢もステップアップ

2017年度に高校総体で優勝し、全国高校選手権準優勝した流通経大柏高から入った選手も順調に成長してプロ入りをつかんだ。この年は日本代表になった守田英正(サンタクララ)らを中心に流通経大はインカレで優勝、シーズン終わりに合同の祝賀会が開かれた。当時の柏高の主将で浦和に進むDF宮本優太は「4年前に優勝報告会を流大の先輩方とやったのを思い出しました。その時に4年生がプロに行くのを見て、自分も4年後ああなりたいと思い入学したのでうれしく思う。たくさんのいい思い出ができた」と振り返った。

天皇杯覇者の浦和へは安居海渡(左)と宮本優太が加わる
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薄井覇斗と鹿野修平は同じGKとして柏高から計7年間よきライバルとして高め合ってきた。大学3年では鹿野、4年では薄井が試合に出場することが多かったが、鹿野はいわきFC、薄井は松本山雅に進む。

主将の経験生かす

満田主将は「200人以上いる部員の中で先頭に立ち、チームを引っ張っていく難しさなどを感じながら1年間できたので、自分の成長につながった」と今季を総括した。ほとんどの選手が将来の目標で日本代表入りを挙げたが、松本山雅に入団する菊井悠介(大阪桐蔭)は「ここにいるメンバーで、多分トップチームとして試合に出ることが少なかった。試合に出られない時の立ち居振る舞いや練習での姿勢というのは成長したと思う。ここにいるJ1にいく選手に負けないようにJ2、J1とチームとしても個人としても成り上がっていきたい」と決意を述べた。

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鳥栖へ進む佐藤響(水戸啓明)は浦和に入団する安居海渡(浦和学院)や佐々木とともに高校時代それほど知られていなかったが、大学に入ってから大きく成長した選手だ。最後に中野監督が「苦しい時こそいろんな人に支えられて今の自分が成り立っていることを心の中にしっかり置いて、この先サッカー選手として頑張ってほしい。サッカーだけで生きていけない。好きなサッカーを通して人の中でどう生きていくのか。スポーツを通して学んでほしいし、感謝の気持ちを持ってこの先も生活していって頂きたい」と言葉を贈った。

鳥栖に入団する佐藤響(左)と菊地泰智

Jリーグへ入る流通経済大学の4年生

MF菊地泰智 サガン鳥栖(流通経大柏)
MF佐藤響 サガン鳥栖(水戸啓明)
DF佐々木旭 川崎フロンターレ(埼玉平成)
MF仙波大志 サンフレッチェ広島(広島ユース)
FW満田誠 サンフレッチェ広島(広島ユース)
DF宮本優太 浦和レッドダイヤモンズ(流通経大柏)
MF安居海渡 浦和レッドダイヤモンズ(浦和学院)
GK薄井覇斗 松本山雅FC(流通経大柏)
FW菊井悠介 松本山雅FC(大阪桐蔭)
DF家泉怜依 いわきFC(寒川)
GK鹿野修平 いわきFC(流通経大柏)
MF永井颯太 いわきFC(中央学院)

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