陸上・駅伝

特集:第101回関東学生陸上競技対校選手権

早稲田大・間瀬田純平、1500mで佐藤圭汰と互角に戦い、駅伝でチームの力になる

1500m決勝、間瀬田は300mから勝負に出た(撮影・藤井みさ)

第101回関東学生陸上競技対校選手権大会 男子1部1500m決勝

5月20日@国立競技場(東京)
10位 間瀬田純平(早稲田大1年) 3分47秒62

早稲田大学のルーキー間瀬田純平(鳥栖工)にとって、関東インカレはエンジのユニホームを着て走る初めてのレースだった。2日目の男子1部1500m決勝では、前日の予選とは打って変わって独走態勢でレースを進めたが、ラスト300mで集団につかまり、最後は10位でゴール。「思った以上にペースが上がらなくて苦しいレースになったけど、でも後悔なく攻めてこの結果だったので良かったです」と言い切った。

スピード不足を痛感、それでも勝てるレースを


5月19日の男子1部1500m予選では、決勝に備えて余裕をもって走る予定だった。しかし中盤になっても前に出られず、2組5着+2の予選において5着でのゴールとなった。レース後、「自分としては結構課題がある、決勝に向けて心配なレースになってしまった」ともらした。

けがで走れない状態が続き、本格的な練習ができるようになったのは4月に入ってからだった。練習量が足らず、特にスピードが戻っていないのを自分でも自覚した。それでも早稲田大を代表して出る初めての関東インカレだ。「最低限入賞してチームに貢献したいです」

迎えた決勝、スタートから前方に位置取り、300mの手前で先頭に立つ。そこから一気に加速し、東海大学の飯澤千翔(4年、山梨学院)を先頭にした第2集団と最大40mほど差がついた。しかしラスト1周を前にしてその差はなくなり、ラスト300mで集団に飲み込まれた。そこからは飯澤が集団を抜け出し、そのままフィニッシュ。間瀬田は12人中10位でゴールした。

冷静にレースを進めて優勝した飯澤(586番)に対し、「大舞台の経験値が違うなと思いましたし、自分も勉強になりました」と間瀬田(270番)

レースがスローペースで始まったのを感じ、ラスト勝負でスピードがある選手に勝てないなら最初から攻めるしかない、と決心して前に出た。たとえ追い上げられたとしてもラスト200mまでは先頭をキープしたかったが、思うようにペースを上げられなかった。予選で感じたスピード不足を補うレース展開を思い描き、今の力でできる限りの勝負に出たレースだった。

「自分たちの力で早稲田をもう1度」

鳥栖工業高校(佐賀)3年生だった昨年はインターハイで1500mと5000mに出場し、3分42秒22で3位という成績を残している。大学でも1年目は1500mを中心にスピードを強化して3分40秒切りを目指し、インターハイ決勝で敗れた駒澤大学の佐藤圭汰(1年、洛南)と肩を並べられるような力をつけていきたい。

もちろん、1年目から学生3大駅伝も視野に入れている。今シーズンは出雲駅伝の出場権がなく、箱根駅伝は予選会からとなるが、「夏合宿で走り込んで、ケガなく練習して、1500mだけじゃなくて長い距離でも戦えるようになって、2つの駅伝を狙っています」。先輩の井川龍人(早稲田大4年、九州学院)や菖蒲敦司(早稲田大3年、西京)のように、トラックレースでも駅伝でも活躍できるような選手を目指す。

夏合宿で走り込み、箱根駅伝予選会から早稲田大の力になりたい

早稲田大は今年の箱根駅伝で総合13位となり、3年ぶりにシード権を落とした。すでに進学が決まっていた間瀬田はその姿を見て、「自分たちの力で早稲田をもう1度、常に優勝を狙えるチームにしてきたい」と気持ちを引き締めたという。男子1部5000m決勝に出場した同期の山口智規(1年、学法石川)などと競い合いながら、伝統校の新たな力になる。

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