「現役最後だよ、この練習」　仙台育英、平常心で甲子園決勝へ

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　甲子園初優勝をめざす仙台育英は、下関国際（山口）との決勝を控えた21日、阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）で練習し、報道陣の取材に応じた。

　グラウンド練習の序盤にあったキャッチボールの間には、森蔵人君（3年）が「現役最後だよ、この練習」などと同じ3年生部員に声をかける場面もあった。その後、室内練習場に移動。下関国際の2投手を想定し、変化球への対応などに重点を置いて打撃練習をしたという。

　練習後、佐藤悠斗主将（3年）は、前日の準決勝後に卒業した野球部の先輩たちから「絶対勝てよ」「頑張って」という電話をもらったと明かした。

　ただ、「決勝戦だからといって欲が出ている選手は一人もいない」ときっぱり。「ベストなモチベーションと体の状態で臨めると思う」とチーム状態を説明し、打撃について「相手が打たせたいひざ下の球を振らないで、甘い球をしっかり打てれば」と話した。

　エースナンバーを背負う古川翼投手（3年）は、決勝を迎えるという実感が湧いてこないという。「その先にまだ試合があるんじゃないか」という気持ちがあり、「初戦と変わらず、落ち着いた気持ちです」と語った。

　須江航監督は、下関国際について「勢いがあり、たたき上げられているチーム」と評する。古賀康誠（3年）、仲井慎（3年）の両投手を警戒し、「おそらく後半以外はチャンスがないと思う。そこまで粘り強い攻撃をしたい」と意気込んだ。

　聖光学院（福島）との東北勢対決を制してつかんだ決勝の舞台。東北6県の高校とは練習試合や大会で互いにレベルアップを図ってきたとし、東北勢初の甲子園優勝に向けて「東北代表という意識が強い。ぜひ東北の皆さんの思いと一緒に戦いたい」と抱負を述べた。

(三井新)

＝朝日新聞デジタル2022年08月21日掲載