「久しぶりに大激戦」「前半が大事」 出雲駅伝を前に、7大学の監督が会見で意気込み
10月10日、今年の学生3大駅伝の幕開けを告げる出雲駅伝(6区間、45.1km)が開催される。新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となった昨年は、東京国際大学が初出場で初優勝を飾った。今年の記者会見には東京国際大に加え、青山学院大学、順天堂大学、駒澤大学、東洋大学、中央大学、國學院大學の7校の監督が出席。今年のチーム作りやレース展開について語った。
近藤幸太郎のエントリー外は「パフォーマンスです」
記者会見直前に発表されたオーダー表には、青山学院大のエース・近藤幸太郎(4年、豊川工)、3000m障害で東京オリンピック7位入賞の順天堂大・三浦龍司(3年、洛南)、東京国際大の日本人エース・丹所健(4年、湘南工科大付)といった、各校の主力がエントリーされず、補員に登録されていた。
この点について尋ねられた青学大の原晋監督が、「パフォーマンスです」と言って報道陣を笑わせると、順天堂大の長門俊介監督は「パフォーマンスではないです。体調不良者がいきなり出るとか、ぎりぎりまで何が起こるか分からないので、いろんなところに対応できる三浦を外させていただきました」。東京国際大の大志田秀次監督も「感染症は『朝起きたら、熱が出ている』ということもある。できるだけ走れる選手として外した」と同様の理由だった。
3大学を含めた各チームは、いずれも3区にエース級がいる。駒澤大は出場選手の中で10000m最速の記録(27分23秒44)を持つ田澤廉(4年、青森山田)、東京国際大は田澤に続く2番目のタイム(27分24秒42)を出しているイェゴン・ヴィンセント(4年、チェビルベレク)、昨年は5区で区間賞を獲得した東洋大の石田洸介(2年、東農大二)、3月の学生ハーフマラソンを制した國學院大の平林清澄(2年、美方)、中央大は今年前半のトラックシーズンで躍進した中野翔太(3年、世羅)を置いた。
どの大学も1~3区までの前半区間を重視
これはどのチームも、1~3区までの前半区間に重点を置いているからだ。当日は出雲特有の西からの風が予想され、特に終盤の4、5区は向かい風の影響を受ける。9年ぶりに出雲路へ戻ってきた中央大の藤原正和監督は「1、2、3区でいかに前につけるかが重要。4、5区は粘っこい走りができるかが、勝負の分かれ目になると思う」。國學院大の前田康弘監督は「3区が終わった時点での位置、4、5区で、そこから勝負できるのかがポイントになる」という戦略を描いた。
「出雲らしく、新しい力を試したい」と意欲を語ったのが東洋大の酒井俊幸監督だ。6区間中、半分の3区間で2年生を起用。この1年間は、選手一人ひとりがリーダーシップを発揮したチームビルディングに重点を置いた。
駒澤大の大八木弘明監督は「今回は戦国駅伝じゃないですか」と言う。鈴木芽吹(3年、佐久長聖)が故障から復帰し、箱根駅伝以来初めてのレースとして、最終6区にエントリーされた。田澤に続く存在で、来年のエースとも称される鈴木の走りも注目だ。
青山学院大の原監督も「久しぶりに大激戦の出雲駅伝で、テレビをご覧の皆さんには、わくわくできる大会になるんじゃいかと思います」と語った。レースは10月10日午後1時05分に、出雲大社正面鳥居の前をスタートする。