アメフト

大阪公立大WR石田法希 高校時代からあこがれの先輩とのホットラインで1部昇格を

桃山学院大戦でタッチダウンパスを捕り、喜ぶ大阪公立大のWR石田法希(すべて撮影・篠原大輔)

アメリカンフットボールの関西学生リーグ2部は12月3日にリーグ最終戦(12時、たけびしスタジアム京都)がある。5勝1敗の大阪公立大学パラディンズが昨年に続く入れ替え戦出場をかけて同志社大学と戦う。大公大が勝てば6勝1敗で大阪大学、桃山学院大学と並ぶ。そして抽選で「1位相当」か「2位相当」を引けば、入れ替え戦進出だ。。パラディンズのオフェンスは高校時代にクリスマスボウルでも活躍したQB篠原呂偉人(ろいど、4年、関大一)が引っ張る。「あと2試合、ロイさんからのボールは全部捕ります」と意気込むのが、WR石田法希(4年、関大一)だ。

桃山学院大学戦で見せた圧巻のコンビネーション

大公大は第5節の大阪大戦を14-17で落とした。先に二つのTD(タッチダウン)を奪われると、チーム全体がいつもの勢いを失い、受け身の戦いに終始した。何とか14-14に追いついたが、最後は阪大のオフェンスを断ち切れず、長いFG(フィールドゴール)を決められた。後がなくなった第6節の桃山学院大戦。3点を先制されたが、序盤からこの日のために用意したトリックプレーも繰り出し、すぐに逆転。攻守蹴がかみ合って、全勝だった相手を20-10で下した。入れ替え戦進出の2位以内を巡る争いに生き残り、大公大の選手たちは喜びを爆発させた。

この桃山学院大戦、7-3で迎えた第2クオーター、この日3度目の大公大オフェンスで関大一高出身の4年生2人によるホットラインが「開通」した。自陣30ydからスタート。右、左とオプションからのピッチでRBを走らせたあと、QB篠原は5プレー連続でWR石田に投げ、すべて通ってTD。ロイド(篠原)が相手のラッシュをかわして走り、石田がその動きに合わせて投げやすいところに走り込んだプレーもあった。圧巻のコンビネーション披露し、最後は中央奥へのTDパスだ。これは石田が試合中に「絶対空きます」とロイドに伝えていたゾーンだった。石田は試合後、「今シーズンは全然ダメだったから、大事な試合で捕れてよかった。まだミスもあったのでロイさんと詰めていきたいです」と話した。

あとがなくなった桃山学院大戦をものにして、大公大の選手たちの喜びがはじけた

あこがれだった篠原呂偉人が大学では同期に

石田は大阪府吹田市にある関大一中では野球部だった。関大一高に進んで野球部とアメフト部を見学に行った。心に残ったのはアメフトのレシーバーがボールをキャッチする姿。「カッコよかった。新しいことをやりたい気持ちもあったからアメフト部にしました」。入部すると、1学年上に小さなエースQBがいた。それがロイドだ。投げてよし、走ってよし。2年生QBの成長とともにチームは日本一を決めるクリスマスボウルまで駆け上がった(佼成学園〈東京〉に16-36で敗戦)。

1年の石田は希望通りWRになっていたが、クリスマスボウルのフィールドには立てなかった。2年のときもほとんど試合に出られず。パスを合わせたこともほとんどないまま、小さなエースQBは卒業していった。3年のときは1学年下のQB須田啓太(現・関西大3年)とパスを合わせた。練習後も残って須田のボールを捕った。「僕は須田にうまくしてもらいました」と石田は振り返る。

高校時代、ロイドからのパスを捕る機会は少なかった

高2のころ、親からのアドバイスもあり、石田は関大に内部進学するのではなく、国公立大学を受験することを決めた。第一志望は神戸大学。しかしセンター試験(当時)で失敗し、大阪府立大(当時)を受けることにした。合格すると、同じ新入生にまさかの人がいた。ロイドだ。石田と同じく神戸大を狙ったが浪人、1浪して大阪府立大に合格していた。コロナ禍で部活の新歓イベントもなかったが、高校までの経験者がほとんどいないアメフト部が、こんな2人をみすみす逃すはずはない。入部の誘いを受け続け、高校時代はほぼしゃべったこともなかったロイドと石田は一緒に練習見学に行き、8月ごろにどちらからともなく「頑張ってみよか」と入部を決めた。

またロイドのボールを受けられるのは、石田にとって大きな喜びだった。「あこがれの存在だったから、また一緒にやれるのがうれしかった。高校時代はストイックですごい人だと思うだけだったけど、一緒にいると結構しゃべりやすいし、フレンドリーでした」と笑う。ともに1年のときから出場してオフェンスを引っ張った。40ydを4秒7で走る石田はそのスピードを生かしてフリーになり、ロイドのパスを捕った。

ロイドもこれまでのフットボール人生のすべてを同志社戦に注ぎ込む

2年連続の入れ替え戦に出て、1部昇格を

昨春に大阪府立大は大阪市立大と統合して、大公大に。まったく違う文化を持つアメフト部が一緒になり、秋は難しいシーズンだったが、1部との入れ替え戦に進出。そこでラン攻撃に徹した甲南大学に完敗した。石田は泣いた。「最後の1年を1部でやりたかった。あの入れ替え戦の悔しさだけは忘れません」

同じ舞台に立つために、リーグ最終の同志社大戦は落とせない。「絶対勝ちます。ロイさんからのパスは絶対全部捕ります」と石田は誓う。ロイドは高校の後輩であり大学同期の石田について、「ルーズマンツーとかゾーンカバーで相手が引いてきたときの奥の強さ、ブレイクを踏んでからの速さは2部ではトップクラスだと思います。捕れるところに投げたら、必ず捕ってくれる」と話している。

ロイドと石田。たまたま再会した二人のホットラインが、大公大を新しいステージに導くか。

石田はロイドからのパスを捕って、パラディンズを入れ替え戦に導くと誓う

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