関西勢、関東勢同士による甲子園ボウルも 2024年から全日本大学選手権の方式変更
日本学生アメリカンフットボール協会は12月4日、来年から全日本大学選手権の大会方式を変更すると発表した。出場校を全国の8学生連盟から1校ずつの計8校から関東と関西を各3校とする計12校に増やし、決勝の甲子園ボウルが初めて関西勢同士や関東勢同士の対決となる可能性ができた。早くも準々決勝で関西3位―関東2位、関西2位―関東3位という、これまで実現しなかったカードが見られる。
3年間は新方式で、4年目以降は検討
東西大学王座決定戦として63回続いてきた甲子園ボウルは2009年から、全国8連盟が参加する全日本大学選手権の決勝となった。参加校数や組み合わせなどに試行錯誤を重ね、2019年には「全日本大学選手権ワーキンググループ(WG)」(座長・廣田慶日本学生協会副理事長)を立ち上げ、さらなる発展に向けて本格的な検討に入っていた。そしてようやく2024年から、真のチャンピオンチームを決める形になった。3年間は新方式を続け、4年目以降については検討していく。
来年の組み合わせは以下の通りで、関西勢と関東勢の3校は準々決勝から登場。関西1位と関東1位が地方勢対決の勝ち上がりチームと対戦し、関西3位と関東2位、関西2位と関東3位が戦う。勝ち上がり地区が翌年度の当該ラウンドの開催権を持つ。ただし準々決勝のうち、関西、関東勢と他地区が対戦する2試合は他地区での開催とする。準決勝と甲子園ボウルは1クオーター15分で、ほかは12分。ポストシーズンの日程が増えるが、秋シーズン開幕の前倒しはせず、リーグ戦の間隔を部分的に従来の2週間から1週間にして対応する。前倒しが必要な場合はナイター開催で対応する。来年の関西1部は最終節を11月9、10日に開催する予定だ。
「最も強い2チームがふさわしいという原理原則に基づいた」
大学スポーツでは珍しく、アメフトは「西高東低」の状態が続いている。過去20年の甲子園ボウルはすべて関西勢と関東勢の対戦となり、関西の17勝3敗だ。関西の現場やアメフトファンでは、関西勢同士の甲子園ボウルが実現可能なトーナメント変更への待望論があった。とくに今年の関西学生リーグ1部は関西学院大学、関西大学、立命館大学が6勝1敗で同率優勝となり、大いに盛り上がった。
選手権WGの廣田座長は「最も強い2チームが甲子園ボウルに出るのがふさわしいという原理原則に基づきました。加えて『関西のあのチームと関東のあのチームがやったらどうなるのか』というファンのみなさんの興味にも応えられる。そこに地方のチームも入ってくる。さらにダイナミックなトーナメントになります」と話した。今年の甲子園ボウルで前人未到の6連覇がかかる関西学院大の大村和輝監督は今回の変更について、「1位のメリットをもっとつけた方がいい。2位、3位の学校より(トーナメントで)1試合減らすとかね。これだとリーグ戦の終盤にけが人を温存して、『2位か3位でもええわ』ということにもなりえますよね」と語った。