佐々木麟太郎が貫く人生のテーマ 通算140HRでも「まだ未熟」
米国のスタンフォード大への進学が決まっている岩手・花巻東高の佐々木麟太郎(3年)が20日、花巻市内の同校で報道各社の取材に応じた。進路が注目された強打の内野手は、世界最高峰の大学で学びながら、将来的にプロをめざす考えを明らかにした。
「覚悟の上で決めた。すばらしい大学で勉強し、野球をプレーさせていただくことを光栄に思う」。佐々木は数十人が集まった報道陣の前で、よどみなく胸中を語った。
2年春の選抜大会で初めて甲子園の土を踏むと、3年夏は全国選手権大会の8強進出に貢献した。2年半の高校野球生活で、歴代最多の通算140本塁打を放ったとされる。
ただ、本人は選手として「まだまだ未熟」との認識だ。「けがなどで野球人生はいつ途絶えるかわからない。その後のことも考えて、一番いい選択ができたと思っている」
進路を決めるにあたっては、花巻東の卒業生である菊池雄星(ブルージェイズ)と大谷翔平(ドジャース)から助言を受けた。2人とも、「英語の勉強は日本でするより、日本人がいない環境に早く入った方がいい」などと背中を押してくれたという。
大リーグのドラフトは大学生(4年制)の場合、3年以上の在学、または2年以上在学している21歳以上の選手が指名対象となる。現時点の理想は、2年後以降に大リーグか、日本のプロ野球からの指名を受けることだ。
4月から大学で語学中心の授業を受け、9月の正式入学に備える。「勉強も野球もできる人間になりたい。それが『人間・佐々木麟太郎』としての大きなテーマ。いろいろな思考を持つ方と交流して、高い知識や知恵、そして思考を構築したい」
(大宮慎次朗)=朝日新聞デジタル2024年02月20日掲載