桐蔭横浜大の新たな試み　新入部員全員が「プロになる」と記者会見で堂々と宣言

• ＃桐蔭横浜大学

一昨年度の全日本大学選手権を制した桐蔭横浜大学サッカー部が4月2日、新入学選手・スタッフ計25人の入部記者会見を行った。新1年生選手は全員が目標として「プロを目指す」と宣言した。プロチームの新入団会見は当たり前だが、大学のスポーツ部の入部会見となると「本学では初めて。全国の大学でもおそらく初の試みでは」と安武亨監督。この新たな試みには、公の場で宣言させることで、選手たちの責任感を育てて、決意をしっかり固めてもらう狙いがあるという。

各年代の代表歴がある選手ズラリ

同大学の新入部員は選手23人、スタッフ2人。一昨年度の大学日本一を見てから同大学のスカウトに応えた世代で、U18・U17日本代表歴や高校日本代表歴を持つ選手も多く、この日の会見には、日本高校代表としてドイツに遠征中の2人を除く23人が出席。保護者も会見場内から我が子の晴れ舞台を見守った。

森朋子学長のあいさつに続き、新入部員全員がマイクを持ってあいさつ。「自分の技術とフィジカルを生かす」「ドリブルとスピードに注目を」「身長を生かしたダイナミックなプレー」など、自分の特長をアピールした上で、全員が「プロになる」「海外で活躍できる選手に」と話した。

「会見で決意表明すれば、目指さないわけには」

続いてマイクを握った安武監督は、「全員がプロになりたいと言ってくれた。私の仕事は、彼らがプロになるのをサポートすること」と答えた。その上で「サッカー選手である前に良き大学生であれ。競技力と人間力は比例するので、人間力が成長すれば絶対に競技力も上がる。そんな人材が25人そろったら、日本一が取れないわけがない。そしてそういう選手たちがプロになれないわけがない」と激励。「個」の成長を重視し、プロを育てることを指導方針として掲げる安武監督らしい言葉だった。

安武監督は、保護者に同席してもらえるよう入学式の日を会見の日に選んだといい、「こういう場で『プロになる』と決意表明したら、プロを目指さないわけいかないですよね」とニヤリ。責任感を育て決意を固めさせることも含め、「記者会見を開くことは、いいことしかない」と、来年以降も恒例化していく考えだ。

保護者も加わって笑顔の記念撮影

会見後の写真撮影も少し変わっていた。報道陣、大学広報に加え、スマホやカメラを持った保護者も加わり、選手たちを撮影。ポーズをとる際には、すでに新入部員のムードメーカーとなっている宮下拓弥（桐光学園）が、「パワーーーーーー！」と掛け声を発し、選手たちも保護者も笑顔に包まれた。

選手も歓迎「新しいことをやるすごい大学」

宮下は、入学前に出場した練習試合でも、得点を決めると先輩たちの前でパフォーマンスをして盛り上げているという。「入部記者会見なんて聞いたことがなかったが、自分もチームも世間に見られる機会が多くなる。注目されることは好きなので（会見を）やれてよかった」と話した。

昨季のプレミアリーグEAST得点王の岡崎寅太郎（川崎フロンターレU18）も「新しいことをどんどんやるすごい大学だと思った」と、記者会見開催を歓迎。「チームのため、ではなく、プロになることを第一に考えてくれる大学。『プロになる選手が集まれば必然的に日本一になる』という、他の大学と逆の考え方が自分の心に響いた」と、個人重視の指導方針を進学先選びの理由として挙げた。

新入学の選手は以下の通り。