同志社のつらい1年、集大成の1部昇格
西京極にビクトリーフラワー
2018年の集大成を見せる戦いがやってきた。
しょっぱなで流れをつかんだ。同志社のキックオフで試合開始。最初の甲南大の攻撃シリーズ。甲南大のランに対し、DB青木久倫(4年、同志社)がファンブルフォース。これを同志社が抑え、敵陣38ydと絶好の位置から同志社のファーストシリーズが始まった。反則もあったが、QB坂井隆介(4年、豊中)からWR山田順哉(4年、桃山学院)へのパスが決まり、ゴール前15ydで攻撃権を更新。次のプレーでWR毛綿谷海都(3年、同志社香里)が坂井から前トスを受けると、右オープンを駆け抜けてタッチダウン(TD)。7-0と先制に成功した。
この日2度目の攻撃シリーズでも、同志社の勢いは止まらない。RB小泉誠実(4年、桐光学園)、壷井大樹(4年、滝川)らのランで前進すると、ゴール前3ydから藤田成哉(2年、同志社国際)が相手のタックルをはねのけエンドゾーンへ。13-0になった。第2Q5分すぎに甲南大にフィールドゴール(FG)を決められ、13-3。その後はパントの蹴り合いが続いた。前半終了間際、同志社は甲南大のテンポいいパスで攻め込まれたが、松ヶ迫拓真(2年、同志社国際)らDB陣の奮闘で、ゼロで切り抜けた。
後半に入っても、大きく試合は動かない。第4Q2分すぎ、同志社は甲南大のミスパントにより、好フィールドポジションを獲得。毛綿谷へのパス、藤田のランでゴール前へ侵入すると、4分すぎに再び毛綿谷が左サイドライン際を駆け上がり、TD。20-3となり、大勢は決した。
試合残り1分からの同志社オフェンス。ニーダウンで時間を消費し、残り10秒から、同志社サイドのカウントダウンが始まる。フィールドのオフェンスメンバーが円陣を組む。「3、2、1…」。時計がゼロを表示し、円になった11人が宙に舞う。いわゆる「ビクトリーフラワー」。同志社による同志社のための勝利の花が、西京極に咲いた。
前を向き続けた主将
昨年、神戸大との入れ替え戦に負け、2部へ落ちた。チームは1年での昇格を目標に掲げ、主将のOL森脇秀太(4年、同志社国際)を中心に戦ってきた。春のシーズンは勝てない時期も続いた。秋のリーグ戦でも、2点差でようやく勝ったゲームもあった。苦しい時期もあったが、森脇は前を向き、1年間チームを引っ張った。「しんどいこともたくさんあったけど、最後に勝てて本当によかった」と頬を緩めた。
来シーズンは1部での戦いが待ち受ける。しかし下を向くことはない。この1年間、苦しい思いを抱えながらも戦い抜き、昇格を決めたチームには困難を乗り越えられる力がある。「後輩たちを日本一を目指せるスタートラインに立たせられた。同志社の誇りをもって、活躍してほしいです」と森脇。日本一という新たな目標めがけ、WILD ROVERが大海原へと漕ぎ出す。