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激戦必至、シード校登場の大学選手権

帝京大の副キャプテン竹山 (撮影・谷本結利)

いよいよ今シーズンの大学王者を決める戦いが本格化した。12月16日に3回戦の4試合があり、順当に関東の強豪校がシード校の待つ準々決勝に駒を進めた。

埼玉・熊谷では、流通経済大(関東リーグ戦3位)が福岡工業大(九州)を63-26で下し、大東文化大(関東リーグ戦2位)は筑波大(関東対抗戦5位)に31-7で勝利。
大阪・キンチョウスタジアムでは慶應義塾大(関東対抗戦3位)が京産大(関西3位)に一時は1点差に迫られたが、43-25で退けた。昨年度準優勝の明治大(関東対抗戦3位=4位扱い)は立命館大(関西2位)に50-19で快勝した。

大学選手権3回戦

流通経済大 63-26(前半36-5)福岡工業大
大東文化大学 31-7(前半17-7)筑波大
明治大学 50-19(前半36-0) 立命館大 
慶應義塾大学 43-25(前半21-12) 京産大

関東勢が強さを示した

大阪の2試合はアウエーにあたる関東対抗戦勢が強さを示した。1試合目、慶應は後半11分に21-20と1点差に迫られた。流れは京産大にあった。さらに突破力に長けたNo.8フェインガ・ファカイ(3年、日本航空石川)にトライまで1mと迫られたが、タイガー軍団は気迫のディフェンスで得点を許さなかった。そして20分、25分にモールからトライを重ねて勝負あった。

京産大の大西健監督は「慶應の選手はひたむきで真面目ですね。うちのパターンに入りだしたなと思いましたけど、我々がやりたいことをやられました」と振り返った。

正確なプレースキックに加え、相手を吹き飛ばす豪快なトライも決めた慶應主将のSO古田京(きょう、4年、慶應)は「タフな時間帯が来るのは予想してました。その時間を乗り越えられたことがプラスです。中5日ですが、早稲田にリベンジしたいです」と意気込んだ。

慶應は3回戦でモールから2トライ (撮影・斉藤健仁)

2試合目は明治が序盤から立命館を圧倒。早稲田戦での反省から「試合の入り方を意識しました」とキャプテンのSH福田健太(4年、茗渓学園)が言うとおり、FWとBKが一体となって前半に5トライを重ねた。

立命館は前半のマイボールラインアウトを5本すべて確保できなかった。明治はメンバー外の4年生たちが立命館のラインアウトを研究しつくしていた。後半、立命館はボールを展開して流れをつかんだ。WTB藤井健太郎(1年、伏見工)ら若いBK陣が躍動して3トライ。来年につながる試合にはなった。

立命館のキャプテンFL古川聖人は(4年、東福岡)は「自分たちが明治という強豪相手に気負ってました。メンタル的に受けてしまい、それがプレーに出ました」と、悔しい表情で言った。明治の田中澄憲監督は「勝ててホッとしてます。途中、相手に流れがいきかけましたが、最後にトライを取って終われたのは次につながる」と語った。

明治が立命館のラインアウトを封じた (撮影・高山展誉)

12月22日、東京と大阪で行われる大学選手権準々決勝のカードは下記の通り。いよいよ各リーグの王者が登場。好カードが並ぶ。

◇東京・秩父宮
12:05 早稲田大 vs 慶應義塾大
14:20 帝京大 vs 流通経済大

◇大阪・キンチョウスタジアム
12:05 東海大 vs 明治大
14:05 天理大 vs 大東文化大

王者帝京が登場。大学選手権11シーズンぶりの「早慶戦」も

東京の1試合目は、大学選手権では11シーズンぶりの「早慶戦」となった。対抗戦では早稲田大(対抗戦1位=2位扱い)が21-14で競り勝った。ディフェンスもしっかりしている両チームだけに、再戦も接戦になるに違いない。

8年ぶりに対抗戦で優勝した早稲田はSH齋藤直人(桐蔭学園)とSO岸岡智樹(東海大仰星)の3年生ハーフ団のゲームコントロールが勝負の鍵を握る。ディフェンスで粘り、得点力のあるBKを走らせられるか。
慶應はキャプテンSO古田、副キャプテンLO辻雄康(慶應)ら4年生が意地を見せるか。慶應の4年生の代は対抗戦で早稲田に4連敗中。4年分の思いをぶつけたい。

慶應キャプテンの古田(左)と副キャプテンの辻 (撮影・斉藤健仁)

東京の2試合目には、いよいよV10を狙う帝京が登場する。今年は明治に3連敗を喫するなど、昨年ほどの絶対的な力はないかもしれない。ただし、経験豊富な岩出雅之監督のもと、徐々にチーム力を上げてきた。FWではキャプテンのLO秋山大地(4年、つるぎ)、BKでは副キャプテンのFB竹山晃暉(4年、御所実)が要だ。大学選手権での戦いに慣れている選手が多いこともプラスに働きそうだ。
流通経済大はBKに得点力の高い選手が揃っているだけに、キャプテンのHO山川遼人(4年、尾道)を中心としたFWがどこまで踏ん張るか。

経験豊富、冷静沈着な帝京の岩出監督 (撮影・谷本結利)

実力伯仲の4チーム

大阪の2試合は勝敗が読めない。
1試合目は昨年度ベスト4の東海と、昨年度のファイナリスト明治の激突だ。
 
関東リーグ戦王者の東海は、17トライを挙げた副キャプテンのHO加藤竜聖(4年、石見智翠館)を中心としたモールに強みのあるチーム。キャプテンのCTBアタアタ・モエアキオラとNo.8テビタ・タタフ(ともに目黒学院)というトンガ人留学生も最終学年を迎えた。昨年度も大学選手権にピークを合わせ、すばらしいパフォーマンスを発揮した東海。今年もトップリーグチームの練習などに「出稽古」して仕上げてきたのは間違いない。

明治は2戦連続で大阪での試合となった。「中5日なのでリカバリーが大事」と田中監督が言うとおり、今週はしっかりと調整に充ててきたことだろう。東海の強みに対して、明治もFL井上遼(4年、報徳学園)やHO武井日向(3年、國學院栃木)らを中心に、まずはFWがセットプレーや接点でしっかりと戦うこと。そこでペースを握り、BKでトライを取りきりたい。8月の練習試合では明治が45-19で勝っている。

明治のセットプレーの要であるHO武井(中央奥) (撮影・高山展誉)

2試合目には関西王者の天理大が登場。関西Aリーグを圧倒的な強さで連覇した力を大学選手権でどこまで発揮できるか。接点もスクラムも強い。そしてSH藤原忍(日本航空石川)とSO松永拓朗(大阪産大付)の2年生ハーフ団を中心にボールを大きく動かし、No.8ファウルア・マキシ(4年、日本航空石川)、CTBシオサイア・フィフィタ(2年、日本航空石川)、WTB久保直人(4年、天理)ら手ごわいランナーが突破を繰り返す。

大東文化大もリーグ戦では2位となったが、東海と実力的には変わらない。天理同様、HO平田快笙(4年、大東大一)を中心にスクラムが強く、双子のLOタラウ・ファカタヴァ、No.8アマト・ファカタヴァ(ともに4年、ティマルボーイズ)やSH南昴伸(2年、御所実業)、CTBシオペ・ロロ・タヴォを中心に攻撃力も高い。関西王者を倒して勢いに乗るのか。

東海大戦でトライを決める大東文化大No.8アマト・ファカタヴァ(中央下) (撮影・斉藤健仁)

今年度は全体的に実力が拮抗していて、春から「群雄割拠」「戦国時代」とも言われてきた。準々決勝の4試合はいずれも好勝負必至。どこが年明け2日の準決勝に進むのか。

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