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特集:東京オリンピック・パラリンピック

日本選手権男子5000m、設楽悠太をただ一人追った富士通・松枝博輝が優勝

ガッツポーズでゴールする松枝(撮影・藤井みさ)

第103回日本陸上競技選手権 第1日

6月27日@博多の森陸上競技場
男子5000m決勝
1位 松枝博輝(富士通) 13分41秒27
2位 田中秀幸(トヨタ自動車) 13分43秒13
3位 服部弾馬(トーエネック) 13分44秒40
4位 茂木圭次郎(旭化成) 13分46秒39
5位 相澤晃(東洋大4年、学法石川) 13分47秒00
6位 平和真(カネボウ) 13分47秒19
7位 遠藤日向(住友電工) 13分47秒25
8位 設楽悠太((ホンダ) 13分47秒31
9位 鬼塚翔太(東海大4年、大牟田) 13分47秒44

ドーハ世界選手権の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権は6月27日、福岡・博多の森陸上競技場で開幕した。トラック種目の最初の決勝は男子5000mだった。学生では東洋大の相澤晃(4年、学法石川)と、東海大の鬼塚翔太(4年、大牟田)の二人が挑んだ。ラストスパートに絶対の自信を持つ松枝博輝(順天堂大~富士通)が2年ぶりに制した。

展開を読んでつかんだ勝利

まずは団子状態の集団から茂木圭次郎(旭化成)が抜け出すと、最初の1000mを2分46秒で駆け抜け、第2集団に5秒ほどの差をつけた。2000mは5分30秒を刻んだが、徐々に第2集団との差が縮まる。3000m地点でその差は1秒未満となり、ほどなく松枝を先頭とした集団に吸収。松枝の後ろには田中秀幸(トヨタ自動車)や遠藤日向(住友電工)、井上大仁(MHPS)、相澤らが続き、互いを牽制(けんせい)しながらレースは進んだ。

残り1200mのところで設楽悠太(ホンダ)が前に出た。これを追ったのは松枝だけだったが、田中を先頭とした第2集団も一気にペースが上がった。ラスト1周で松枝が設楽の前に出る。ラスト自慢の松枝はそのまま後続を引き離し、13分41秒27の記録で優勝。2位には田中が、3位には服部弾馬(トーエネック)が続いた。4~9位までは1秒05差という混戦となり、その中で学生の相澤は5位、鬼塚は9位だった。

ラスト1周の勝負前、松枝には余裕すら感じられた(撮影・藤井みさ)

トラックも盛り上げないと

松枝博輝の話
「井上(大仁)さんだったり、設楽(悠太)さんだったり、MGC出場権を取った方も出られていて、マラソンが陸上界を盛り上げてくれているので、トラックも盛り上げないとという気持ちがありました。もっとしっかり力をつけないと世界の舞台で話にならない。今日はたまたま勝てたけど、もう一段二段、レベルアップしていかないといけないと思う。(去年の日本選手権5000mで)苦い思い出があったので、後ろから攻めるのはリスキーだな、と。茂木君を追って二人旅になったらきついかなと思って、追いつける範囲なので冷静に走りました。このまま(集団を)引き連れてでも勝つという、強い気持ちがありました」

終始、5~6番手の位置につけていた相澤(右)と鬼塚(撮影・松永早弥香)

ユニバでは金メダルを

5位 相澤晃の話
「去年よりはタイムは速かったけど、落ち着いたペースのレースだったと思います。しっかり後半粘れて、ラスト1周でだいぶ離されてしまいましたけど、粘る走りができたかなと思います。ユニバーシアードに向けて走り込んでいる中でのレースだったので、今回しっかり刺激が入ったので、ユニバでは金メダルを目指して頑張りたいと思います」

相澤君をマーク、最後の最後で負けた

9位 鬼塚翔太の話
「ラスト100mで追いつくという感じだったので、ちょっと不甲斐なさはあります。それでもいままでのレースではいつも途中で先頭集団から離れてしまうところがあったんで、粘って走ることを意識しました。前には相澤君や遠藤日向君がいたんで、そこに負けてしまったのはちょっと悔しいかな。とくに相澤君には勝ちたいなと思っててマークしてて、途中まではよかったんですけど、最後の最後で負けてしまった。日本選手権を最大の目標にしてここまでやって、悔しい部分はあったんですけど、最低限まとめられたかなと思ってます」

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