関大バスケが流科大に勝利、1次リーグ最終戦で実感した立ち上がりの大切さ
関西学生バスケットボールリーグ戦
9月28、29日@京都産業大学
関西大(2勝6敗) 78-80 大阪体育大(5勝3敗)
関西大(3勝6敗) 89-67 流通科学大(9敗)
同志社大を77-76の1点差で下した9月7日の劇的勝利以降、関西大は白星から遠ざかっていた。1次リーグも残り2戦となった。大阪体育大との1戦は、第1クオーター(Q)でリードを奪われると、点差を詰めた場面もあったが逆転ならず。翌日の流通科学大戦では、出だしから主導権を握り、先制に成功。そのままリードを守り切り、待望の勝利を手にした。
出だしで苦しんでの敗戦を重ね
大体大戦で関大は西村晴人(1年、草津東)の得点以降、なかなかスコアが動かなかった。その間、大体大にはリードを広げられた。終盤、岸拓也(2年、府立山城)のスリーポイントが決まり、さらにこの日がけがからの復帰戦となった主将の足立臣哉(4年、新田)も3点を決め、点差を詰めた。第2Qでは途中出場の福島大智(1年、洛南)がオフェンスのペースを上げ、流れを引き寄せる。下田竜至(2年、城陽)のリバウンドショットや西村の連続得点で3点ビハインドとした。後半も、菅原紳太郎(3年、東北学院)の1対1や中谷颯吾(4年、大阪桐蔭)のスリーポイントで一時は1点差にまで詰め寄った。それでも関大の逆転はかなわなかった。
翌日の流科大戦では「絶対勝たないと」と強く意識。ここ数試合苦しんできた出だしから相手を圧倒した。スティールからの速攻だけでなく、司令塔・足立が速い展開でゲームメーク。岸のスリーポイントや秋岡和典(3年、岡山工)の得点も決まるなど、終始関大が主導権を握った。24-14でリードを奪い、試合を折り返した。
第3Qでは相手の激しいディフェンスに苦戦する場面もあったが、福島がゲームコントロールして打開。関野日久(4年、関大北陽)がインサイドでの強さを発揮し、得点を積み重ねた。関大は勢いのまま最後までリードを保ち、7試合ぶりの勝利をつかんだ。「みんなで勝って、みんなで喜んでっていうのが一番成長につながる」と足立。久しぶりの白星をチームでかみ締め、笑顔で1次リーグ最終戦を終えた。
関大インサイドを支える岸と関野の力
「彼らの功績は大きい」と尾﨑勇太ヘッドコーチは試合後、岸と関野の名を挙げた。この2選手は関大のインサイドを支えるキープレーヤーだ。
岸はリーグ開幕からすべての試合においてスターティングメンバーに名を連ね、活躍をみせている。インサイドだけでなくアウトサイドでも強さを発揮。大体大戦では21得点、流科大戦では18得点を挙げ、関大の得点源の一つとなった。一方の関野は、どんな相手でも挑んでいくタフなプレーやリバウンドが光る。劣勢のときも声を出してチームを鼓舞(こぶ)するムードメーカーでもあり、関大になくてはならない存在だ。流科大戦ではスタートで出場し、チームの好スタートに貢献した。二人ともマッチアップの際は体格的に不利な場面が多いが、体を張ってゴール下を守る。今後関大が勝ち星を重ねていくために、二人の活躍は必要不可欠だ。
全18試合あるリーグ戦も半分を消化した。関大のここまでの成績は3勝6敗。苦しい状況であることに変わりはない。しかし「全然ポジティブな結果ではないけど、ネガティブになりすぎる必要もない」と関野。結果だけに目を向ければ「全日本インカレ出場」は遠く感じるかもしれない。だが、落とした試合の多くは接戦だ。苦しい時間を過ごした中で見つかった課題や得たものは多くある。それを今後につなげられるかが、2巡目で躍進を遂げる鍵となるはずだ。
リーグ戦は中1週間を挟み、10月12日より再開される。すべては全日本インカレ出場のために。可能性がある限り目標の地に足を踏み入れることを誰一人諦めることはない。関大男バスの逆襲の2次リーグが始まる。
試合前に気持ちをつくり、チーム力で勝つ
主将・足立臣哉の話
「勝つ感覚っていうのをみんな忘れてたので、絶対に勝たないとっていう気持ちで臨んだ。今日はプレーのことはもちろんだけど、試合の入り方であったり気持ちのつくり方とか、アップの雰囲気とかにみんな気をつけて取り組んだ。実際入りからいいプレーも多かった。それが勝った理由だと思う。ここ最近はスタートの部分で勢いに乗られる試合が多かったので、みんなで雰囲気をつくって最初の5人がしっかりそれを表現できたのがよかった。自分がちょっと疲れて落ち着いてプレーできていないときに(福島)大智が出て、他のポジションの人に指示を出して、リーダーシップをとってやってた。そこは本当に、大智にも信頼というかそういう気持ちがすごい大きくなったし、そういうのがチーム力としてああやって交代しても乗り切って勝てたっていうのはよかった。当たり前やけど、勝った方がみんな楽しいし、勝った後も『次頑張ろう』って声が多くて。負けても『次やらないと』っていう言葉は出るけど、やっぱり言葉の重みだとか、そういう発言に対する聞き方とかが全然違う。チームスポーツなのでみんなで勝って、みんなで喜んでっていうのが一番成長につながると思ってるので、内容はどうであれ結果を残すっていうのが大事だなと思いました。ベンチに入ってるとか、試合に出てるっていう責任をもっと強く持って、残り1巡しかないので、本当にインカレにいくための練習を2週間しっかりやっていきたい。まず2巡目の試合の入りから勝てるようにしたい」