大学陸上・駅伝

特集:第96回箱根駅伝

東京国際大エース伊藤達彦 ナポリで発奮、有言実行の日本勢トップ 箱根駅伝予選会

予選会のレース後、報道陣の求めに応じてガッツポーズの伊藤(すべて撮影・北川直樹)

第96回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会

10月26日@東京・陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園のハーフマラソンコース
1位 東京国際大 10時間47分29秒

10月26日に箱根駅伝予選会があり、東京国際大が1位で3年連続4度目の本戦出場を決めた。ケニアからの留学生であるイェゴン・ヴィンセント(1年)が全体の3位、伊藤達彦(4年、浜松商)が日本勢トップとなる5位に入り、総合成績で2位の神奈川大に3分26秒の差をつける圧勝だった。

日本勢トップでゴールし、まずは笑顔。このあと泣いた

前日にツイッターで宣言

エースの伊藤が有言実行を果たした。前日に自身のツイッターで日本人トップを宣言。レースでは、序盤からトップグループでチームを引っ張った。17kmすぎに仕掛け、日本勢の先頭に出ると、そのままゴールまで突っ走った。1時間2分34秒。何度もガッツポーズを繰り返し、男泣きに泣いた。

「いままで努力してきたのが、初めて報われたと感じました」。3月の日本学生ハーフマラソンで東洋大の相澤晃(4年、学法石川)、駒沢大の中村大聖(4年、埼玉栄)に次ぐ3位になり、7月のイタリア・ナポリでのユニバーシアードに出場。ここでも相澤、中村に次ぐ3位だった。伊藤は「全然進歩してない」と、自分の甘さを痛感した。自分を変えるため、日々の練習の取り組み方はもちろん、食事、睡眠に至るまで生活のすべてを見直した。夏合宿では20km走を1日に2回。さらに終盤にペースアップする練習で徹底的に自分を追い込んだ。予選会では例年うまく走れていないという不安があった。そのマイナスを打ち破るために、愚直なまでの努力の日々を積み重ねた。そしてこの日、気温は20度を超え、10月下旬としては暑かったが、「死ぬ気で頑張った」という夏合宿で培った力が出た。

日本勢トップに立ったあと、18km付近での力走

「いつもは速い人にただついていくという走りをしてしまうけど、今日は抑えるところは抑えてしっかりと考えながら走れた。うまく走れたかなと思います」と振り返った。そして「日本人トップを狙っていたので、その点では満足してますけど、正直、まだまだ通過点というのが実際のところです。気を緩めず、全日本で区間賞をとって、箱根の2区で今度こそライバルに勝って日本人トップをとりたい」。涙は乾き、笑顔で次の目標を語った。

「専門学校か就職」一転、「やるからには徹底的に」

伊藤は東京国際大駅伝部ができて6年目の2016年に入学した。もともと大学でも走ろうと思っていたわけではない。高校で陸上はやめ、調理師免許を取得するために専門学校に進むか、就職するつもりでいた。調理師免許取得を考えたのは料理が好きだったからかと思いきや「とくに何もやることがなかった」からだそうだ。そんなときに東京国際大の大志田秀次監督に熱心に口説かれ、大学で駅伝に挑戦することを決めた。「やるからには徹底的にやりきって、結果を出す」。その決意を持って東京国際大に進学した。

予選会後の報告会でマイクを持つ大志田監督

1年生の最初の学年ミーティングで掲げた目標は、4年生の駅伝シーズンで三冠を果たすことだった。実現するには、3年生のときの箱根でシード権をとるのが条件だったが、これがかなわず、先の出雲駅伝には出られなかった。しかし目前に迫った全日本と、箱根がある。
「いまできることを全力でやって、目指せるものをがむしゃらに目指します」。予選会から全日本までが中7日と厳しい日程ではあるが、伊藤は東京国際大の仲間とともに新たな歴史をつくりにいく。