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特集:第89回日本学生陸上競技対校選手権大会

棒高跳・江島雅紀がインカレ2連覇 橋岡や丸山たち日大の仲間の応援に涙

第89回日本学生陸上競技対校選手権大会
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けがと雨への配慮から江島は途中棄権したが、5m40を1回でクリアできたのは自信になった(すべて撮影・藤井みさ)

第89回日本学生陸上競技対校選手権大会

9月13日@新潟・デンカビッグスワンスタジアム 
男子棒高跳び
優勝 江島雅紀(日大4年) 5m40

インカレ最終日の9月13日、棒高跳びが行われ、日本大学の江島雅紀(4年、荏田)が5m40を跳んで2連覇を果たした。けがをおしての出場で、雨という天候も配慮しての途中棄権だったが、最後は笑顔で競技を終えた。

苦戦させられてきた5m40を一発クリア

前ももに痛みが出始めたのは、8月にあったセイコーゴールデングランプリの1週間前。この大会では5m50を跳んでの2位だった。「全中やインターハイでも肉離れしながら出場してて、とくにインターハイは記録も出せたので(5m43と当時の高校新記録で優勝)、けがしててもやれるということを証明したかった」と江島。今大会は新型コロナウイルス対策として、試技は8回までと数を絞っての開催となったが、世界で戦うなら「すべての試技を1本で跳ぶのが前提」と考え、大会に臨んだ。

競技が始まった10時30分の段階では天気がよかったものの、途中、雷と豪雨ですべての種目が中断された。江島はときおり強い雨が降る中、5m30から跳び始め、5m30と5m40を1回目でクリア。とくに5m40ではいつも苦戦させられていたこともあり、「競技人生で初めて1本目で跳べた」と自身の成長を実感できた。

今大会、江島の跳躍は4回のみだった

5m40をパスして5m45に挑んだ大崎洋介(日本体育大2年、明石商)が5m45で競技を終え、江島の優勝が確定。ひとり、5m50に挑んだ。2回目もバーを落としてしまい、前ももの痛みも強くなっていた。それでも挑戦しようとポールをマックスポールに変えようとしたところ、澤野大地コーチから途中棄権の声をかけられた。10月1~3日、同じデンカビッグスワンスタジアムで開催される日本選手権を考えての判断だった。

日大の仲間と一緒に戦える最後の舞台

江島自身、けがのこともあり、前日まで出場を迷っていた。しかし初日に同じ日大の同期である橋岡優輝(八王子)が走り幅跳びで今季世界最高記録の8m29(向かい風0.6m)を跳んで優勝し、主将でもある丸山優真(信太)が昨年6月にあった日本選手権十種競技以来となる出場で奮闘する姿を見て、江島も出場を決めた。前回大会、男子総合は4点差で順天堂大学に敗れ、日大は7連覇を逃した。なんとしても自分たちの代で取り返したいという思いが江島にもあり、何より、日大の仲間と一緒に戦える最後の舞台に立ちたいという思いが強かった。

今大会は無観客での実施となったが、江島の跳躍を橋岡や丸山も近くで応援してくれていた。そんな仲間たちの姿を見て、江島はつい、泣いてしまったという。「今日は節目だと思っていたので。さっき泣いちゃったけど、今は笑顔で終われていますし、楽しかったな」。江島の優勝、そして吉田賢明(日大4年、観音寺中央)が5m20で3位になり、棒高跳びで14得点を計上。日大男子総合は100.5点とぶっちぎりでの優勝をつかんだ。

前回の日本選手権、江島(左)は師の澤野コーチを破っての初優勝だった

昨年の日本選手権で江島は5m61を跳んで初優勝を果たしている。「新潟のお客さんも2000人入るので今日よりももっとスタンドに人がいるし、昨年のチャンピオンとしても出るので、もう一度気持ちを引き締めます」。日大ユニフォームを着て挑める残り少ない大会、仲間の応援を背に、江島は跳ぶ。

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