広島経済大は2年ぶりの全日本大学駅伝、チームの底上げ実る
過去に7位の実績がある広島経済大学が、2年ぶりに全日本大学駅伝に戻ってきた。9月に広島・庄原市の道後山高原クロカンパークであった中国四国選考会。アップダウンのある1周2.5kmを4周するコースで、各チーム上位8人の合計タイムで争われた。昨年、初出場した環太平洋大学との一騎打ちと見られたが、ライバルに3分以上の差をつけて快勝した。序盤は菊地大和(1年、飯塚)がペースメーカー役になり、4周目はそれぞれがスパート。この作戦がはまった。
総合力の高さで勝ち取った代表切符だ。13人が出走し、学内トップは石川・遊学館高から入学したケニア人留学生のカランジャ・ジョスファット(1年)で30分0秒。2秒差で福永恭平主将(2年、三木)が続き、そこからも小差で続々とゴールした。8番目の河原洋太(4年、西条農)が30分40秒。上位3人で比べれば環太平洋大と互角だったが、その後の5人で差が付いた。結果発表を待つまでもなく、ゴールした選手たちは1位を確信して喜び合った。
キーマンは2年生主将の福永恭平
全日本ではエース格に育った福永がキーマンになる。兵庫・三木高時代に5000m14分台をマークし、現役時代はマラソンで活躍した尾方剛監督の目に留まった。昨年は1年生ながら出雲駅伝3区を走り、2年生になると主将に指名された。例年、3年生が務めてきたため、驚いたのは福永だ。「高校の時もやったことがない。慣れないことばかり。上級生に助けてもらってやれている。強いことを言うのは苦手なので、走ることでチームを鼓舞できたら、という気持ちでやっている」
「二刀流」の大竹康平にも注目
また、本職の中距離との「二刀流選手」として注目したいのが大竹康平(4年、倉敷商)。選考会では学内7位の30分30秒で走った。180cmを超える長身で腰高の走りが集団の中で際立っていた。9月の日本学生対校選手権1500mでは3位。岡山の倉敷商高では3年時に800mで高校総体に出場した。大学にもトラックをするつもりで進んだが、3年から本格的に長い距離との両立を意識してきた。「関東の大学の選手に比べて体力がないなと思っていた。中距離でも一日に予選、決勝を走るのにスタミナが必要になる」。練習では30km走もこなした。
昨年も選考会に出たが、チームの全日本への連続出場は「5」で止まった。「4年生だし、今年こそ貢献したいと思っていた」。卒業後も地元の岡山を拠点に競技を続ける。駅伝を走る機会は最後になる可能性もあり、「短い区間で、できれば2区(11.1km)を走りたい」と意気込む。
チームワークで伊勢路に挑む
今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で約2カ月、学内の施設が使えず、個人で練習に励んだ。7月に部活動を再開。例年、北海道と広島で行う合宿も、今年は広島で2泊3日だけの短期集中型に変わった。
「うちは寮生活で学年間の隔たりがない。雰囲気がいい」と大竹。力の差のない8人をそろえ、チームワークの良さで勝負する。
第52回全日本大学駅伝対校選手権大会中国四国地区選考会
9月22日@道後山高原クロカンパーク(10kmの上位8人の合計タイム)
1位 広島経済大学 4時間02分01秒
2位 環太平洋大学 4時間05分15秒
3位 広島大学 4時間09分09秒
4位 松山大学 4時間26分00秒