ラクロス

連載:ラクロス応援団長・おばたのお兄さんコラム

自分に自信をつけるにはどうしたらいい? おばたのお兄さんが実践していること

自分に自信をもつことの大切さをおばたのお兄さんも身をもって実感した(撮影・齋藤大輔)

「あなたは自分に自信がありますか?」

自分が今注力していることについてこう問われたら、あなたはどう答えるだろうか。日本人の国民性として「謙虚で奥ゆかしい」なんてあるが、決して人にひけらかすことなく、自信は持つべきだ。自分で自分を認めるべきだ。自分が信じられる部分を見つけ、確実なものにするべきだ。と、メジャーリーガーのダルビッシュ有投手のインタビューを見て改めて思った。

ダルビッシュ有投手が、とある番組のインタビューで話していた。僕なりにギュッとまとめると、後輩や周りの人々に対してはとにかくポジティブ思考になるように声がけをし、うまくいっていない時でもその中でできていることに目を向けさせるようにしているという。自信を持つことがうまくいくことへ必ずつながる、と。

いろんな指導方法があると思うが、いい指導者はやはりポジティブな声がけの使い方がうまい人、“ほめ上手”な人が多い。日本体育大学ラクロス部時代もそうだった。

おばたのお兄さんの「ラクロス4years.」

関東選抜候補生から落選、先輩の言葉に救われた

僕が大学1年生のころ、19歳以下のラクロス関東選抜候補生に選ばれた。ゴーリー(ゴールキーパー)だった僕はその枠が2人のところ、3人のところまでは残ることができたが、最終で落選してしまった。日体大は毎年この選抜に多くの選手が選ばれる。僕らの代は17人いたが、6人も関東選抜に選出された。その6人全員が大学からラクロスを始め、スタートラインは自分と一緒。なのに僕は選ばれなかったことから、劣等感に襲われた。自分が順調だと感じている時ほど、失敗や挫折があるとそちらに意識がガタガタっといってしまう。そして、やる気を失う、いわゆるモチベーションが下がった状態になってしまうのだ。僕はまさしくその状態だった。

日体大時代のおばたのお兄さん(写真は本人提供)

それまでしていた自主練習も少し疎(おろそ)かになっていた。しかしそんな時、ある先輩がこう言ってくれた。

「まずそこまで残ったことがすごいじゃん。それは認めないと。あと、カズ(おばた)はゴーリーにしてはぶっちゃけ体がかなり小さい。なのに最終候補まで残った。何でだと思う? 他にはない長所があるからだよ。そこがどこか考えて、自覚して、更に伸ばしてほしいな。そしたら唯一無二の選手になるよ」

僕はこの言葉に救われた。自分の長所を考えてそこを伸ばすように練習し、短所は「ダメな点」ではなく「補うべき点」と捉えるようにした。狭くなっていた視野が“わっ”と広がり、モチベーションが上がった。長所に目を向け伸ばすことで、次第に自信へとつながった。

不安なんて毎日抱えている

モチベーションで思い出したので、関連することについても少し。このコラムを読んでくれている方からも、インスタライブなどでメンタル系の話を聞いてくれた人からも、よく「なんでそんなポジティブなんですか? 不安になることとかないんですか?」と言われる。

ズバリお答えしよう。不安なんて毎日抱えている。当たり前だ。僕は前を向いて進んでいるから。不安なんてものは向上しようとするから出てくるもの。逆を言えば、不安があると言うことは、前に進もうとする意思があると言うこと。それは素晴らしいことだ。はーい、じゃあ大事なこと言うよ~。

前に進もうとしているからこそ、不安を感じてしまう(撮影・齋藤大輔)

不安を消し去るには、「やりたいこと、なりたい姿」を常に考え、「できること」を整理して、「やるべきこと」をやるしかないのだ。それが明確だと、その瞬間瞬間でうまくいかなくても、道筋は立っているから進むことができる。進んでいたら、何もかもオール失敗なんてことはなく、たとえ小さなことでも成功を得られる。その成功に気づくことも重要。その積み重ねが「自信」になる。だから僕は不安でも、「これをしているから」がはっきりとしていて自信を持っているので、ポジティブに映るのかなぁと思う。

「やる!」「やるしかない!」

ネガティブになる要因についても少し。大人になればなるほど良くも悪くも経験値があるから、リスクの予測もできてしまう。マイナスな予測が予測を生み、考える時間が長くなり、行動に移すのが遅くなる。行動が遅くなると、その言い訳を考える。更にできなかった時の言い訳も考える。結果、「だったらやらない」「進まない」という選択肢が出てくる。その選択が大きな不安となり、負のスパイラルとなるのだ。

不安をより最小限にすることは、成功体験の蓄積だ。つまりはもう、「やる!」「やるしかない!」。それでダメでもやったこと自体が自信になる。その経験値が次への自信になるという話だ。

そう。このコラムは自信の話で始まった。何が言いたいかというと、自信をつけるために、僕も、とにかくやる! みんなも、やれ! 不安なんて上等だ!

ラクロス応援団長・おばたのお兄さんコラム

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