おばたのお兄さんは準備を欠かさない　選手も芸人も準備があって成功がある

• ＃ラクロス応援団長・おばたのお兄さんコラム
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先日、大阪に泊まりで仕事に行った時の話。大阪に行く前日、僕はTBSのオールスター感謝祭のマラソンに出演させていただいて、全力で走り、クタクタの状態で帰宅した。時刻は23時を過ぎていた。この日は朝から感謝祭以外にも別の仕事があり、早めの起床だったので一刻も早く寝たかった。しかし翌日は大阪での仕事。衣装や、宿泊のために必要な道具の準備もある。僕は朝、余裕を持って起きることが苦手な人間なので、この準備を寝る前にするか、それとも睡眠優先で翌朝するかで迷ったが、結局疲れに負けて朝準備をすることにした。

起床した僕はせっせせっせと準備をした。ネタ出番だけではなく何をするか分からないといった仕事のため、持っていく衣装や道具の準備に思いのほか時間がかかってしまった。急ぎながら何とか準備を済ませ、新幹線に時間通り乗ることができた。そして気がつく。携帯の充電器がない。いつもよりも多めの道具のため、普段使っているバックと別の物を使っていたのが原因だ。髭剃りも忘れたことに気がつく。これは電動髭剃りを前日の夜に充電し、朝カバンに入れようと思っていたが、急いでいたために忘れてしまったのだ。完全な「準備不足」である。

準備不足はミスを引き起こす。これは、今回の僕のような「忘れ物」というミスに限らず、スポーツにおいても同様のことが言える。というか、この世の人の行動すべてにおいて言えることであろう。

プロ野球選手も練習でわざとミスをする

以前、4years.のこのコラムで「練習とは癖付けである」と書いたが、これは試合に向けた「準備」であるとも言える。どのような状況にも応じられる準備をすることが、勝利やハイパフォーマンスをすることにつながるのだ。僕が日本体育大学ラクロス部にいた時も、うまい選手はいいプレイをするための練習、つまり成功のための準備をするのは当たり前だが、ミスをした後のプレー、失敗した時のための準備（リカバリーの準備）も欠かさなかった。

プロ野球の試合を見に行った時も、同様のことをよく目にする。僕はプロ野球を見に行く時は早めに球場に行って、試合前の練習を見る。すると、プロの何人もの選手がノック（守備練習）の時にわざとミス（ミスのようなこと）をして、その後のプレーの練習をしている。これが、いかなる状況にも対応できる準備というものなのだ。ミスをする方が珍しいプロのレベルでも、「このような準備をするんだ」と感心してしまう。そのプレーにおいて起こり得るあらゆる状況を常に意識し、準備できるかで勝敗に大きく関わってくるのである。

「必勝パターン」がある芸人は強い

準備の話はまだ続きますよ。

もしかしたら営業妨害になる芸人もいるかもしれないが、芸人は「このトークの流れになったらこう言えばウケる」など、いわゆる「必勝パターン」を持っている人が多い。ロールプレイングゲームの勇者のようにいろんな武器を持っていて、その時と場合によって使い分ける。当然、遠距離の相手に刀で立ち向かおうとするような選択ミスをしたら、「スベる」という結果になることもある。ただ、本当にどこでも爆笑をとる人は、「スベった場合はこれをやればウケる」というものまである。それがある人は本当にバケモノだ。若手では間違いなくナダルさんだ。

というように、どれだけ面白い人もこのように準備をしていて、というかみんな準備はしているのだが、その選択が正しかったり判断が速かったりする人が売れている。とにもかくにも、スポーツだって、芸人だって、多くの質の高い準備をできた人が結果を出すのである。そして逆に、準備不足であればあるほど不安になり消極的になり、いい結果は出づらくなってしまう。不安を抱えたくないのであれば、多くの準備をするしかないのだ。

コロナ自粛中もSNS投稿や資格取得で準備

僕自身の体験で言うと、新型コロナウイルスでの外出自粛期間や緊急事態宣言等によって仕事がなくなってしまった時に、SNSを中心に毎日自分が面白いと思う動画の投稿や配信をし続けた。その期間でInstagramのフォロワーも急増し、ネットニュースや情報番組で話題にもしていただいた。そして世間的に徐々に元に戻りつつある今、僕はお休みが月に1日もないほどに忙しくなった。

自粛期間ではスポーツの資格を3つほど取ったため、スポーツ関連の仕事も増えている。毎日動画を上げるためにいろんな新しいものまねにチャレンジして、それらもテレビ出演につながった。前に進むという行動が、結果的に「勝負しなければいけない状況になった時の準備」になっていたのだ。正直言うと、これを狙っていなかったと言えば嘘になるし、ある種作戦通りにいったので、準備をしていて良かったなと感じている。

このコラムを書いている現在、午前2時。明日は朝6時半にテレビ局集合で1日ロケだ。自粛期間に生まれたものまね3つのキャラクターでの稼働となる。衣装は全部自前。

眠たい。実に寝たい。しかし僕は朝が苦手な人間だ。分かっている。だから同じ失敗をしないために、今から明日のための準備をするとしよう。