アメフト

連載:アメフト応援団長・コージコラム

すごいマジックはもう一度見たくなる、アメフト観戦を楽しむには

10月に入り、負けられない戦いが続く(イコールワン福岡SUNS提供)

4years.をご覧の皆様こんにちは。アメフト応援団長のコージ・トクダです。
10月に入り、暑さも少しずつ収まり過ごしやすい日が増えてきましたね。アメリカンフットボールは雷や台風以外はどんな気候であっても試合をします。大雨や雪が降っても基本的には試合をします。雨天中止は無いのです。

昇格へ正念場のシーズン後半へ

一方でフットボーラーは暑さにはとことん弱かったりします。分厚い防具を身につけている為(ため)に、熱が外に逃げにくいのです。特に試合の日の暑さにはめっぽう弱い。
これから少しずつ涼しくなるにつれ、試合も激しくなっていくことかと思います。

僕が所属している「イコールワン福岡SUNS」は現在3試合を終えて2勝1敗という成績です。上のリーグ(X1スーパー)に上がる為には、もうひとつの試合も落とせない状況です。残り3戦はなにがなんでも勝たないといけない。痺(しび)れる展開です。是非応援して頂けたら幸いです。

「何が起こっているの?」5つの基本

さて、今回は試合を観に来て頂いた方からの二つの質問にお答えしたいと思います。
試合をご覧になられたお客様からある質問を頂きました。一つ目が「試合を初めて観たのですが、何が起こっているのかサッパリわからないです」と。これはとてもよく分かります。確かにこれは初めてアメフトを見る方なら必ず浮かぶ疑問だと思います。
今どっちが攻めているのか分からない。これは僕自身がアメフトを勉強し出した頃に感じていた事と全く同じです。

故に僕自身の経験から、お答えさせて頂きます。試合の内容まで理解するには、アメフトを理解している方と一緒に何度か観に来て頂く事が一番早いです。全く予備知識がない状態で試合を理解するというのは感覚的には、「タネが分からないマジックを目視で何度も何度も見てタネ明かしまで漕(こ)ぎ着けるようなもの」です。

これって相当な努力が必要ですよね? でも実際はそんな事する必要はありません。アメフトにもそう難しくないマジックのタネがあります。それさえ掴(つか)めば容易に何が起こっているのかは理解する事が出来ます。

昨年の関西学生から。関学DB竹原のインターセプト。アメフトの花形プレーの一つ(撮影・柴田悠貴)

タネを文字で書くと硬くなってしまうのですが、
1.敵の陣地にボールを運んで点を取り合う陣取りゲーム
(これはラグビーと同じです)
2.攻守交代がハッキリ分かれている
(オフェンス11人ディフェンス11人が綺麗に入れ替わる)
3.攻撃回数は4回許されている
(フィールドの横を見たら今は何回目の攻撃なのか数字の棒を持った人が立ってます)
4.10ヤード(y=約9m)進めたらもう一度4回与えられる
(これを繰り返して敵陣のゴールまでボールを運ぶ)
5.最終得点を多く獲得したチームが勝ち
と基本的なタネはこういった感じです。これを実際に試合を観ながら説明出来ると一発で理解できるはずです。

「ボールはどこに?」引っかかっていいんです

もう一つの質問も頂きました。「試合中ボールがどこにあるのかわからなくなります」と。
まずハッキリ言います。プレーしてる我々もボールがどこにあるのか分からなくなります(笑)。
なぜなら、アメリカンフットボールは基本的には「対戦相手を欺(あざむ)いて、ゴールまで進んでいくスポーツ」だからです。故に対戦相手にボールの位置を悟られずにプレーしなければなりません。逆を言えば、その対戦相手は今ボールがどこにあるのかを必死に探ります。

我々もこう思います。「そりゃ観てる人もボールの位置がわからなくなるよなぁ」と。隠してるんですもの。だからこそ、「マジック」と同じなのです。
プロのマジシャン=攻撃(オフェンス)
それを見破ろうとする者=防御(ディフェンス)
その2人を横から見ている者=観客(純粋にマジックに驚く事が出来る)
といった構図が出来上がります。

春の法大-日大から。オフェンスはラン、パスを駆使し相手を惑わす(撮影・朝日新聞社)

なかなかタネは簡単には見破らせてくれません。でも、その事実を理解するとそれが面白いポイントになってきます。試合を観ていてテンションの上がる一つが、「ボールを目でしっかり追っていたのに気がついたら全然違う所でボールが前に進んでいた」時です。
これはマジックで見事に引っかかった時の感覚です。その時ってもう一度見たくなりますよね? 全く同じ感覚です。

その感覚さえわかれば、むしろボールを見失いたくなってきませんか?

アメフト応援団長・コージコラム

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